出馬断念を表明し、厳しい表情を見せる井戸川さん＝２８日午前１０時３０分ごろ、埼玉県加須市

　自身の辞職に伴い行われる町長選に再出馬を表明しながら、告示日に断念した前町長井戸川克隆さん（６６）は２８日、埼玉県加須市で記者会見し、「原発事故で高線量の被ばくをした。放射能の影響か分からないが、１年前よりは何かと体調がおかしくなっている。このまま選挙戦に入っても、どこかでもっと悪くなる恐れがある。（現在の健康状態で）町長という激務を果たすことが果たしてできるだろうかと思った」などと説明。「町に課題がある今、（出馬を）辞退することは本当に断腸の思い」などと語った。
　震災後の町政運営をめぐる井戸川さんと議会の対立が発端となった町長選のため、役場機能の県外移転を含め井戸川町政の是非について審判が注目されたが、一転、新人のみの選挙戦となった。
（２０１３年３月１日　福島民友・県内選挙ニュース）