震災後初の「知事選」 佐藤氏、3選目への動向に注目
現職で2期目の佐藤雄平氏(66)は11月11日に任期満了を迎え、第20回となる知事選が行われる。佐藤氏は現時点で、3選出馬に関する態度を明らかにしていない。
佐藤氏は2010年の再選後に東京電力福島第1原発3号機のプルサーマル計画受け入れを表明、その翌年に震災と福島第1原発事故に見舞われた。昨年1月には大腸憩室出血のため入院、震災後の激務から健康面を気遣う声も聞かれた。しかし、2期目の残り1年を切った時点では「目の前のことをしっかりやっていく」と述べ、任期全うに意欲を示した。
支持母体の民主は佐藤氏3選に向けた対応は白紙。「佐藤県政を支え、復興を最優先する立場」(亀岡義尚県連幹事長)とし、佐藤氏の表明を注視している。
2期目で推薦した自民は、県議会で佐藤氏の震災・原発事故対応を追及する姿勢も見せ、独自候補擁立も視野に入れて水面下で作業を進めている。また、知事選のたびに公認や推薦候補を出してきた共産が候補者を擁立するのは確実視され、今年の知事選は多数の候補者が出る可能性がある。
自民系で知事選に名前が取り沙汰されるのは、06年知事選に出馬した森雅子氏(49)=少子化担当相=や岩城光英氏(64)ら全県選挙区を経験している参院議員を中心に本県関係国会議員。また、遠藤忠一氏(65)や佐藤憲保氏(59)、斎藤健治氏(69)ら県議会議長経験者も選考で浮上する可能性がある。現職首長から転身を求めるケースも想定される。
仮に、多選を戒める「権不(けんぷ)十年」(権力の座に十年いるべきでない)を“公約”してきた佐藤氏が出馬を見送った場合、民主は現職国会議員らから人選する選択肢が現実的だ。
党派を超えて県幹部らの名前も出てきそう。
自民、民主とも県連執行部を刷新したばかりで、知事選対応は年明けから加速する見通し。今後は佐藤氏自身の意向も含め、各党の擁立作業に注目が集まる。
(2014年1月1日 福島民友・県内選挙ニュース)
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