知事選告示まで3カ月 候補者不在、県民に不満
震災、原発事故後初の知事選は、最有力の「10月9日告示―同26日投票」までほぼ3カ月に迫った。復興を加速させる本県のかじ取り役を決める重要選挙との位置付けとは裏腹に、現職の佐藤雄平氏(66)=2期=をはじめ名乗りを上げた候補者はいまだおらず、今後4年間の復興の道筋や県の将来像を示す政策論争に入る気配すらない。独自候補の擁立を目指す自民、佐藤氏を支える立場の民主両党の水面下のせめぎ合いが背景にある。ただ、復興策の提示を求める県民は多く、「県民置き去り」の党利党略が続けば、有権者の批判は免れない。
富岡町から三春町に避難する40代男性は佐藤氏の姿勢に「県政のリーダーをやり遂げる気概があるなら早く表明すべきだ。『引き延ばし戦術』ではむしろ復興が停滞する」と厳しい目を向ける。自民党支持者も自民、民主両にらみの情勢に「政党間の駆け引きで擁立が長引けば、候補を見極める時間が少なくなる。県民不在の状況だ」と指摘する。有権者の声は届いているのか、知事選は異例の短期決戦の様相を呈している。
(2014年7月6日 福島民友・県内選挙ニュース)
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