退任「非常に心苦しい」 佐藤知事最後の所信表明
佐藤雄平知事にとっては任期中最後の定例会となった。冒頭の所信表明で初当選からこれまでを回顧し、震災からのふるさと再生や福島第1原発で繰り返されるトラブルへの歯がゆさ、次のリーダーへの期待など約9分にわたって述べた。
震災以降に関し「歴史上誰も経験したことのない厳しい事態に対し、古里を何としても再生させたい、安全で安心な暮らしを取り戻したいとの一心で全精力を傾けた」と振り返った。
さらに「震災の痛みを乗り越え、人のため社会のために役に立ちたいと、たくましく成長する子どもたちの姿に未来を照らす希望の光を感じ、深く心を動かされた」と加えた。4日の不出馬会見では震災、原発事故の対応に対する批判について触れたが、この日は言及しなかった。
3年6カ月たっても避難者は12万人を超え、課題も山積する状況での退任に「非常に心苦しい」と本音をのぞかせた一方で「復興実現に向けた枠組み、土台はしっかり築いた」との自負も示し、残りの任期を全うすることを強調した。
(2014年9月13日 福島民友・県内選挙ニュース)
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