あいさつする井戸川氏（左）

　知事選に無所属で立候補を表明している前双葉町長の井戸川克隆氏（６８）＝埼玉県加須市に避難＝は２日、県庁で記者会見し、放射線の安全基準を県民が判断するための委員会設置や情報公開の徹底などの政策を示した。
　井戸川氏は「空間放射線量のほかの数値も示し、県民自身が安全かどうかを判断できる環境づくりが必要」と強調。県民への健康手帳の交付をはじめ、県民健康調査に代わる健康調査の実施や、無料健診など医療の充実、新たな避難計画の策定などを健康を守るための政策として掲げた。
　また「復興のためには完全な賠償で県民の不安を解消しなければならない」と述べ、県庁内に事故被害について算定する機関を設置することや、損害賠償請求に県が強く関わることなどを示した。このほか、放射線に関する情報発信検討会議や、安全について県民自らが議論する県民会議の設置、県独自に放射線管理区域を設定することなどを政策に掲げた。

　井戸川氏が事務所開き　「県民のために全力」
　知事選に立候補を表明している前双葉町長井戸川克隆氏（６８）の後援会は２日、福島市で事務所開きを行った。井戸川氏は「全ての県民は原発事故の被害者。多くの県民の悩みを聞くことを目標に頑張りたい」と決意。「避難者の立場での厳しい選挙戦になるが、つらい思いを抱える県民のため全力を尽くしたい」と語った。高瀬晴久選対本部長らが激励した。
（２０１４年１０月３日　福島民友・県内選挙ニュース）