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▽8  【07 1/8掲載】
平凡
平凡
休日、自宅近くの公園でくつろぐ花井さん。いつもは愛犬が一緒だが「妻が連れて行って、きょうは一人」 
 「地道が当たり前」/大切なのは平穏な生活
 「平々凡々だから」。花井幸夫さん(58)=福島市=は「特別、語ることなんてないんだ」と言う。それでも穏やかな表情で「昭和23年生まれの典型的な男性」の歩みを振り返った。
 花井さんは福島市の中心部に生まれた。父は公務員、母は専業主婦。
 「家では、親が出したものを食べて着るだけ。空腹になると近所のリンゴをもいで食べた。物のない時代だから、親も子も一生懸命だった」
 近所には同じ年ごろの子どもが多かった。「悪い先輩もいっぱいいて、いろいろ教えてもらった。けんかもした。でも、いいことと悪いことの区別や、相手の痛みが分かるようになったんじゃないのかな」
 挫折がなかったわけではない。高校受験に失敗し、中学浪人した。「東京五輪が開かれた1964(昭和39)年。毎日、テレビ中継が見られてよかったけど、親には怒られた」
 華やかな夢もあった。仙台市の大学に進学し「サービス業が合っている」とホテルマンを目指した。
 ホテルマン出身の推理作家、森村誠一さんが脚光を浴びたころ。しっかり東京のホテルから内定も受けた。
 しかし卒業を目前にして母が亡くなった。「長男が親の面倒を見るのが当たり前だったから」と、郷里へ戻り公務員になった。
 結婚して家庭を持ってからは「自分は『仕事だ』と言って、家を女房に任せて逃げていく。子どもは、父親なんてそんなもんだと思っているんじゃないのかな」。ただ「子どもには人さまに迷惑を掛けるな」と言ってきた。
 花井さんは「団塊の世代と特別に言うが、地道に働くのが当たり前だった。子どもが育って、平穏に生活できることが大切じゃないの」と言う。
 博報堂が2006年11月に発表した調査報告「団塊世代 人生60年の棚卸し」では、人生を振り返って採点した場合、平均点は男性が66.6点、女性は72.7点。約七割が人生を肯定的に評価した。
 さらに「人生を振り返って思うこと」では「家庭に居場所がある」が92・8%、「自分を必要としてくれている人がいる」が89・5%に上った。
 花井さんも言う。「努力はするけど、われわれには変化が激しすぎて時代の波には乗れない。せめて最後は、家族に恵まれてよかったと思いたいね。平凡だけど」 
◇「あてはまるものなし」 
 博報堂の団塊の世代を対象にした調査では、「自分たちの世代を表現する言われてうれしい言葉」として最多の36・0%が「あてはまるものなし」と回答した。次いで「ビートルズ世代」が22・9%を占めた。
休日、自宅近くの公園でくつろぐ花井さん。いつもは愛犬が一緒だが「妻が連れて行って、きょうは一人」 
 


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