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▽9  【07 1/10掲載】
悩み
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自宅でパソコンに向かう谷山さん。「気持ちに張りがある時は仕事にも趣味にも前向きに取り組めたのだが」と言う
やる気が起きない/うつ病発症 自宅療養中
 県北地方に住む谷山一郎さん(58)=仮名=は現在、休職中だ。うつ病で、しばらく自宅療養を続けている。「職場にこれ以上の迷惑はかけられない」と3月末で退職するという。
 少年時代、鉱石ラジオや模型飛行機の工作に熱中した。中学校では、アンプなどオーディオ機器を作っては壊し、また組み立てる毎日。将来は、オーディオの世界に進みたいと思った。
 そんな夢を抱き、高校卒業後は東京の理工系の大学に進学した。大講義室でマイクを使って行われる講義には、ほとんど顔を出さず、秋葉原の電気街を回り部品を集めては、アンプやスピーカーの製作に明け暮れた。大学ではバリケードが築かれたが、学生運動には興味を持てなかった。
 大学を出た後は、郷里でサラリーマンになった。職場にオフィスコンピューターが導入されると、複雑な計算を処理するプログラムを自作するなど理工系の手腕を発揮した。仕事に充実感があった。
 谷山さんが最初に健康を損なったのは1989(平成元)年。アルコール依存症で入院した。「仕事に力が入っていたころ。ストレスを酒で解消していたところがあった。人と楽しく飲むのでなく、薬代わりだったのがいけなかった」
 診療では、多くの医師が「治すには飲んではいけない」と言うだけだった。「酒を飲むのは意志の強さ、弱さに関係なく、病気だから」と納得させてくれた医師と出会い、やっと光が見えた。92年以来、酒は一滴も飲んでいない。
 うつ病の発症は転勤後だった。最初は普通に車で通っていた通勤路をしばらくすると通れなくなった。別の道を通っていたが、ある時、職場の手前で車をUターンさせていた。
 「仕事は一生懸命やったつもり。特に忙しかったわけじゃない。人間関係が原因かというと、そうでもない。でも、やる気が起きない。趣味も手につかない」
 厚生労働省の「うつ対策推進マニュアル」によると一般住民の約15人に1人がうつ病を経験し、そのうち治療経験者は4分の1。誰でもかかる可能性があり治療で治るが、社会的理解は進んでいない。また、一般的に若年層で発症し、中高年層にも多い。
 谷山さんは「これからはマイペースでいく」と言う。「気分が改善すれば幸い趣味はたくさんある。ワーカホリックの人よりはいいと思う」
◇うつ病 
 気分がひどく落ち込んだり何事にも興味を持てなくなるなどして強い苦痛を感じ、日常生活に支障が表れるまでになった状態。明確な原因は不明だが、比較的発症頻度の高い中高年層への心理的負担の大きさを指摘する意見もある。
 


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