連載 ホーム 県内ニュース スポーツ 社説 イベント 観光 グルメ 健康・医療 購読申込  
 
ふくしま 団塊の道標TOP
▽8  【07 3/13掲載】
佐藤三郎さん
(ワンステップの会代表)
佐藤三郎さん
子どもたちを前に歌う佐藤さん(右)と佐久間さん。「訴えたいことがあれば形はなんでもいい。自分がやれることから始めればいい」=福島市・福島笹谷文化幼稚園
 
音楽でメッセージ/伝説を残す兄貴的存在
 「おにぎり、おにぎり」。幼稚園の遊戯室に子どもたちの歌声がはじける。歌に合わせ踊り出す子もいる。マイクを握る「ワンステップの会」代表の佐藤三郎さん(68)=郡山市=は2005(平成17)年から県内外で幼稚園や保育園、障害児施設などをミニコンサートで回る。訪問先は2月で211カ所になった。
 歌うのは「おにぎりの歌」「親孝行のはじめ」など友人らと作ったオリジナル曲。いずれも、食や家族の大切さなどのメッセージが込められている。その佐藤さんをバックで支えるのが佐久間武彦さん(59)=同市=ら団塊の世代の仲間だ。
 佐藤さんは、団塊の世代より10歳ほど年上の年代だが、1970年代から「若者たちの兄貴分」として「伝説」を残してきた。
 74年8月、郡山市の開成山公園で開催した「ワンステップフェスティバル」は、オノ・ヨーコさんら大物ミュージシャンがかかわり、国内初の野外ロックコンサートを実現した。同時に環境問題を訴えた理念、ボランティアによる運営が、先進的なイベントとして語り継がれている。
 出発点は70年、たまたま見た映画「ウッドストック」。佐藤さんは、映画で展開される50万人規模の野外コンサートと若者たちの可能性に衝撃を受けた。翌年、郡山でミニコミ「ワンステップ」を創刊すると、読者参加企画としてライブやごみ拾いなど百以上のイベントを展開、フェスティバルにつなげた。
 佐藤さんのバックでドラムを演奏する佐久間さんは当時、広告代理店の社員としてフェスティバルを見ていた。「大学時代はミュージシャン志望。あこがれながらスーツ姿の自分はどこか傍観者だった」と言う。
 佐藤さんを手伝うのは昨年から。「突然声を掛けられて。バブル経済の崩壊後、商売が立ちゆかなくなっていた。迷惑を掛けた人には『よく音楽なんか』と言われる。でも音楽があってよかった」。
 フェスティバル後、佐藤さんも変転を経た。今は減農薬などにこだわる農場を長男と経営し、歌は62歳から始めた。「でも、やってることは今も昔も同じ。環境や食が大切と話しても人は聞いてくれないが、音楽は聴いてくれるから歌う。メッセージを受けた一人一人が、その場からワンステップを踏み出してくれればと思う」。
 ワンステップフェスティバル 1974年8月1―10日、郡山市で開かれた。コンサートは内田裕也さんがプロデュース、沢田研二&井上堯之バンド、キャロルなどが出演。オノ・ヨーコさんは演奏はせず郡山市役所で会見した。
 


〒960-8648 福島県福島市柳町4の29
ネットワーク上の著作権(日本新聞協会)
国内外のニュースは共同通信社の配信を受けています。

このサイトに記載された記事及び画像の無断転載を禁じます。copyright(c) THE FUKUSHIMA MINYU SHIMBUN