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▽5 【07 8/21掲載】
泉崎村
県産材をふんだんに使い、省エネにもこだわった自慢の家の居間でくつろぐ高橋さん=泉崎村・天王台団地
 
財政破たんで危機感/村を挙げ大胆な誘致策
 都市住民の「誘致」に7年前から知恵を絞る村がある。後には引けない理由を抱え、大胆な取り組みが今も続いている。
 白河市の中心街から西北西へ約5キロ。JR泉崎駅を背に丘を上ると、泉崎村の住宅団地が広がる。天王台団地の自治会長高橋喜和さん(70)は、さいたま市出身。都内の職場を退いた1年後の2004(平成16)年3月、千葉県松戸市から同村に移り住んだ。
 「わたしは果物、妻は草花が大好き。おかげで松戸の家の庭は草花でぎっしり。退職したら、もっと広い所に移りたいと在職中から移住先を探していた」
 移住先選びには5年かけた。「西は静岡、北は群馬まで行った。親の住む首都圏に近く、妻がクーラーに弱いので涼しい所がいいと考え悩んでいた02年ごろ、雑誌の記事を見つけた」。「田舎暮らし」の情報誌が、自治体開発の住宅地で値下げした所を特集した「行政処分地の暮らし最新リポート」。天王台団地が紹介されていた。
 天王台団地は村が販売する住宅団地。98年、197区画を売り出したが、一坪13万5000円という「白河市内でも高め」(村関係者)の価格からか販売は不振。分譲3年目には、工業団地の誘致計画頓挫で村の財政が破たんした。
 箭内憲勝企画調整課長は「財政再建団体転落の寸前。これを避けるには、団地を自分たちで売るしかない。強烈な危機感が村全体を動かした」と言う。こうして天王台団地を売り切るため、村を挙げた首都圏住民の誘致作戦が始まった。
 手始めが分譲価格の引き下げ。さらに首都圏勤務者をターゲットに3年間の通勤費を助成する「ゆったり通勤奨励金」、定年退職後に移り住めるよう職場を紹介する「無料職業紹介所」など大胆な定住者誘致策が次々と打ち出された。
 雑誌にも住宅見学会の案内を売り込み、その記事が高橋さんの目に留まった。「訪れると、眺めがよくて。案内してくれた役場の人が実家で取れた野菜をたくさん土産にくれた。予約はその日にした」と高橋さん。
 天王台団地は現在まで115区画売れ、財政破たん後の移住者は72世帯。負債は最高時の3分の1ほど。箭内課長は「すべて手探り。ただ目を引くことも考えたし常に動いていることが大切」と攻めの気持ちを語り「最後は、購入者に安心感を与えられるかが鍵」と話した。
 財政破たん 泉崎村が財政破たんを明らかにした際の負債額は約68億円で、同村の一般会計予算総額の2倍に相当。主な要因は、工業団地に進出を予定していた企業の計画撤回。本年度当初の負債額は約25億円。
 


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