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▽6 【07 8/22掲載】
小野町
小野混声合唱団の仲間たちと熱唱する千葉さん(後列中央)=6月、小野町多目的研修会施設
 
田舎暮らしの支えに/奔走する民間グループ
 阿武隈山地の中ほどにある小野町。町の集会所では6月、田村郡のコーラスグループが集う合唱祭が開かれた。地元の「小町混声合唱団」のテナー千葉慶一郎さん(66)は緊張気味に歌い出しながら、仲間たちと歌声を合わせるうちに笑顔が輝きだした。
 千葉さんは、静岡県富士宮市から同町に移り住み八年目。仙台市出身の「Jターン」組だ。40代前半までは仙台など東北で暮らした。国鉄の機関士だったが退職、再就職のため身寄りのない静岡に移っていた。「漠然と(故郷に)帰ってくるつもりではいた」と話す。
 現在は、病院の施設管理の仕事に就き「昔、職場で参加した」合唱のほか、そば打ちに取り組む。絵手紙、合唱が趣味の妻連子さん(58)と夫婦そろって地域の活動に熱が入る。
 移住の動機については「50歳を過ぎたころから『定年後は山で暮らそう』と思っていた。都会は人の暮らす所じゃないから」。それでも「仙人みたいな暮らしはしたくなかった」と笑う。
 小野町には町外から移住した家族が、既に30世帯以上いる。「高速道のインターがある。地震が少ない。病院も整っている」と千葉さんは移住先としての好条件を挙げる。
 そんな地の利を生かそうと2004(平成16)年、町の商工会が中心となり「小野町ふるさと暮らし支援センター」が設立された。事務局を担当する蓬田守同町商工会事務局長(56)は「『ふるさと暮らし』を応援する組織としては、結成は全国でも早い。特に民間中心の組織は珍しく注目されている」と言う。
 手掛ける事業は「定住・二地域居住」による地域活性化への期待を反映してか都市住民向けの情報発信や田舎暮らしの体験ツアー、不動産紹介など数多い。
 蓬田さんは「町に移り住んでもらった後の支援が活発。そこがほかの地域にはない特色」と強調する。町内に約200のサークルがあるが、移住者には必ず連絡し参加を勧める。そのため蓬田さんは土、日曜日もなく移住してきた人たちの元を訪れる。「それが皆の不安を除き、地域に溶け込むきっかけになる」
 合唱祭のフィナーレでは参加者全員が歌い出した。「定年後を生きるには苦労する。でも、若い時のコーラスの経験が支えてくれる。文化活動は生きる上での調味料だから」。千葉さんは今、11月のコンサートの準備に忙しい毎日を送る。
 自然環境が決め手 100万人のふるさと回帰・循環運動推進・支援センターの調査では、都市住民がふるさと暮らしを決める条件は、自然環境のよさ64パーセント、気候のよさ33パーセント、住居がある21パーセントなどの順。(複数回答)
 


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