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ふくしま 団塊の道標TOP
▽8 【07 8/25掲載】
金山町(中)

自宅の隣の畑で空模様を見る佐藤さん夫妻

 
移住誘致で過疎対策/「ブーム」に冷静な見方も
 金山は過疎の町。ピークの1960(昭和35)年、1万119人いた町民が、今は4分の1の約2800人。高齢化もすさまじい。高齢化率は51.8%(2005年度国勢調査)。町民の2人に1人を65歳以上が占める。
 「町内では集落が消えている。現在、30ある集落のうち、3集落は15歳から60代前半の住民がいなく、近い将来、消滅が予想される。残りの集落も『予備軍』」と同町地域振興課の須佐光夫さんは話す。
 地元に働き口がなく若者が町を出ていく。後継者が減るから産業も先細る。その悪循環が全国の過疎地と同様、金山でも続く。5年ほど前の町の調査では、1200世帯足らずの町内に空き家が100軒以上あった。
 こうした過疎化の打開策の1つとして「定住・2地域居住」が、団塊の世代の大量定年を契機に注目を集める。だが須佐さんは、大都市圏からの移住受け入れに奔走しながらも、そんな「ブーム」を冷静に見る。「退職した世代は後継者にはならず、過疎の解決策にはならない。消滅する集落の『延命措置』」と言う。
 冷めた見方は移住した人たちにもある。佐藤董雄(しげお)さん(63)、安子さん(56)夫妻は4月、東京都町田市から移り住んだ。夫は新潟県、妻は岩手県出身。2人とも就職のため上京した。故郷への思いか「田舎暮らしは40年来の夢。退職したら田舎に行くぞと話していた」と声を合わせる。
 だが、団塊の世代の移住の話になると安子さんは語気を強める。「これはブーム。『自然の中で気ままに暮らしたい』なんて考えていたら続かない。集落には集落のルールがあるから」
 夫妻はこの数カ月間を振り返る。昼間、道を歩いていたら近所の男性に「昼食を食べず、どこを歩いているんだ」と怒られた。こんなこともあった。隣の女性がジャガイモの苗を佐藤さん宅の畑にそっと置いていった。訳を尋ねると、引っ越しの後片付けで忙しい夫妻に代わって育てていたとほほ笑んだ。
 「驚いたり感動したり、正直戸惑った。でも『集落は家族。年上の隣人たちにとって私たちは息子と娘。助け合ったり、怒ったりすることが当たり前』と気付いたら、すべてが納得できた」と董雄さん。安子さんも言う。「私は初め風景を見て桃源郷だと思った。でも違う。ここを桃源郷にするのは、これからの私たち自身だから」
 過疎 村落、離島などで人口が大幅に減少し助け合いや道路など社会資本の管理といった地域社会の機能が低下した状態。県内では一部過疎地域を含む市を含め23市町村が法律で過疎市町村とされている。
 


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