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▽1 【07 10/27掲載】
会社員”卒業”

自宅で妻節子さんとくつろぐ布田さん。退職直後のの今は、ゆったりとした時間を楽しむが「すでに次の目標は考えている」と言う

 
節目に迫られる選択/楽隠居で終わらない 新しい生き方模索
 福島市の布田信雄さん(60)は今年7月、38年間務めた大手企業を定年退職した。現役時代は自ら「企業戦士だった」という営業マン。営業統括部長や子会社の社長も務めたやり手。本社には継続雇用制度があり、65歳まで勤めることもできた。スポーツで鍛えた体力には、今も自信がある。しかし「区切りを付けたかった」と退いた。
 2004(平成16)年の高齢者雇用安定法改正で雇用主は、13年度までに定年延長か継続雇用制度の導入で65歳までの雇用確保を義務付けられた。法改正の目的は、少子高齢化と団塊の世代の大量定年による労働力不足対策と、年金支給年齢引き上げへの対応。福島労働局職業対策課は、県内の従業員51人以上の企業の約9割は制度導入を終えているとみる。
 ただ、同課の担当者は「60歳定年を五年延長する企業は、全国でも一割足らず。いったん60歳で賃金や人事処遇を『精算』し、その後、嘱託などの身分で雇用を継続する企業が大半」と話す。
 布田さんの会社も、60歳で「精算」した上での再雇用制度を採る。布田さんは「会社は、制度はつくったが本当に継続雇用したい社員はいない。市場も会社も縮小し人が余っている。それに再雇用で残れば、これまでハッパをかけていた若い人たちに、頭を下げることになる。ずっと全力でやってきて、今さらお金のためだけには働きたくない」と心境を明かす。
 そんな布田さんたちの岐路に、団塊の世代に向けた特集を組み続ける全県エリアのフリーペーパー「いきいきタウン新聞」の代表小野利英さん(57)=福島市=は、冷静な目を向ける。
 「5年間食いつなごうという人は多いだろうし『会社はもう結構』という人も多いはず。いずれにしろ『卒業』の時は来る。1人になる時が60歳か65歳か、それだけの違い」
 ただ、小野さんはこうも続ける。「団塊の世代は、数の多さで社会を変えてきた。この人たちが『卒業』してから、どういう人生を歩んでいくのか興味深い」
 今、布田さんには「再スタート」の腹案がある。「ずっと突っ走ってきた世代。今後も次の目標へ突っ走って行かざるを得ない。われわれが、老後ではない定年後の新しい生き方をリードする自負はある。楽隠居では終わらない」
 高齢者雇用安定法 高齢者の雇用確保を通し福祉の向上を図る法律。改正で定年の引き上げか廃止、継続雇用制度導入を義務付けた。定年は2009年度までに63歳、12年度までに64歳、13年4月からは65歳と段階的な引き上げが求められている。
 


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