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ふくしま 団塊の道標TOP
▽3 【07 10/30掲載】
海外を目指す(下)

JICA二本松の玄関ホールに置かれた地球のモニュメントを前に大島さん(右)と森田さん

 
アフリカで支援活動/人のたくましさ心に刻む
 国際協力機構(JICA)二本松青年海外協力隊訓練所(JICA二本松)の所長筒井昇さん(59)は協力隊員を経てJICA職員となった後、通算して十年以上、アフリカ各地で支援活動を続けた。その生活の中で心に刻み込まれたのが、貧しさの中で生きる人間のたくましさだったという。
 「海外には日本では経験できない、苦労をしてそれを克服していく環境がある。本当に人間はすごいと感じる。自分のものの見方、考え方が変わる。現地に行き自分が本当にしたい『なにか』を見つけた人も多い」
 海外に「なにか」を求めるのは、若者たちだけではない。10月10日、同訓練所には団塊の世代を含む30人のシニア海外ボランティア候補生が全国から門をくぐった。
 その一人の大島憲輝さん(59)=郡山市=は元テレビディレクター。訓練修了後はモンゴルの大学で映像制作を教える。海外への夢は、中学三年生の時、作家の故小田実さんの著作「何でも見てやろう」に衝撃を受けて以来抱き続けた。五十歳の時、シニア海外ボランティア募集のポスターを見て「定年後の目標」を決めたという。
 タイでの農業指導を目指す森田久夫さん(59)=会津若松市=は農業高校の元教員。定年まで2年を残して退職し、中国の内蒙古で植林のボランティア活動を行っていた。隊員合格の知らせも中国で受けた。「年齢を重ねると周りがぬるま湯になるし、若い世代ともずれができる。もっと体を使う仕事がしたかった」と話す。
 2人とも30年以上のサラリーマン生活に区切りを付けての再出発。しかし、ともに「仕事を清算した」という意識はない。
 大島さんは「死ぬまでテレビ制作を続けたい。20代の時、初めて自分の作品が放送された感動はすごかった。それをモンゴルの学生と共有したい」。森田さんも「農家の出身で『農は国の基』の意識がある。知識を生かし汗を流したい」と言う。
 12月で退職する筒井さんも再出発の夢を抱く。区切りを付けるためJICAが用意したポストは断った。「人生には、その年齢の時にしかできない仕事がある。お金、地位、名誉ではなく、本当にやりたいことをやる時期が今来ていると思う。私は、海外で貢献できる人を育てたい。自分たちの世代には次の世代を育てる責任があるから」
 国際協力機構(JICA) 開発途上国に対する政府開発援助(ODA)のうち技術協力と無償資金提供の一部を実施する独立行政法人。国内に18、海外に101拠点を持つ。このうち隊員、ボランティアの訓練所は二本松市と長野県駒ケ根市の2カ所。
 


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