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▽4 【07 10/31掲載】
離婚

自作のパッチワークと渡辺さん

 
自分らしく生きたい/気力のある50歳での決断
 ギャラリーの無機質な空間を柔らかなタペストリー(壁掛け)が彩る。10月中旬、福島市で開かれたパッチワーク作家の個展。着物の生地など古布を使った和風の作品群にひきつけられた女性たちで、会場は華やかな熱気で埋まった。
 作者の渡辺真理子さん(56)=同市=は団塊の世代のすぐ下の世代。それでも再スタートは少し早めだった。「男性は60歳が人生の区切りかもしれない。でも、人生50年」と話す渡辺さん。自身が離婚したのが50歳の時だった。
 「老後を考えた時、夫との生活に疑問を感じ始めた」のが離婚の五年ほど前。離婚当時、渡辺さんは主婦。パッチワーク作りを始めてはいたが、手に職はなかった。「でも決めたら実行は早かった。後先など考えなくて。仕事がない、住む家がない−と考えていたら離婚はできない。60歳だったら気力もなく決断できなかったと思う」。離婚後、代行運転とパッチワーク講師で生計を立て始めた。
 テレビドラマをきっかけに、妻が新しい人生に踏み出す「熟年離婚」がクローズアップされて数年。だが、主婦が夫や家庭から独立するには、就職など経済的な壁は大きい。しかし今春、その状況に変化が表れた。
 厚生労働省の人口動態統計の速報によると、今年4月、全国で離婚した夫婦は2万3355組で、前年同月に比べ6.1%増えた。離婚件数が前年同月を上回ったのは1年1カ月ぶり。要因の一つに、4月から始まった年金分割制度があるとの見方がある。
 年金分割は、夫婦の一方の厚生年金などを分割して離婚後も受け取れる制度。これまで主婦を務めてきた妻の年金受給額は低く、独立の支えにはなりづらかったが、この制度で夫婦双方が合意すれば、離婚した妻は最大半分まで夫の年金を受け取ることができる。社会保険庁のまとめでは、4月の年金分割請求件数は全国で293件、県内では2件。相談は同月、全国で約1万2000件に上った。
 渡辺さんは昨年、二種免許を取りタクシー運転手に転身した。現在は運転手とパッチワーク講師で生計を立て、個展も県内外で開く。
 「離婚は誇りじゃないし、家族にも申し訳ないことをした。でも、自分らしく生きたかった。職場にも恵まれ、人と出会う運転手が今、天職だと思える」と渡辺さんは言う。
 離婚件数 厚生労働省の統計によると、団塊の世代が登場した1947(昭和22)年は全国で7万9551件、県内で2181件。2006年は全国で25万7475件、県内では4152件だった。約60年で全国で約3倍、県内では約2倍になった。
 


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