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▽5 【07 11/01掲載】
還暦野球
還暦野球

チームメートを相手にキャッチボールする古川さん。野球と歩む人生はこれからも続く

 
59歳「ルーキー」登板/新規加入者が大きく増加
 会津坂下町の鶴沼球場で10月7日に開かれた県還暦軟式野球選手権大会の準決勝、郡山オールドボーイズ―いわき泉還暦野球クラブ戦。試合が終盤を迎えると、バックネット裏の大会役員室がざわつき始めた。先発した郡山の「新人左腕」が、ただ1人の走者も出さず相手打線を完ぺきに抑え込んでいた。
 新人とはいえ投手の古川誠さん(郡山市)は59歳。郡山工高(現郡山北工高)で投手を務め、保土谷化学郡山工場入社後も社会人野球で長年、活躍してきたベテランだ。それでも還暦野球では最年少。通常よりマウンドとホームの間が2メートル短い還暦野球では、制球のいい速球がさらに威力を増す。
 試合は0―0の息詰まる投手戦。「あと2人を抑えれば完全試合」の緊張からか、古川さんは最終回の7回一死で初ヒットを許し、チームは結局エラー絡みで敗退した。だが、古川さんが奪った三振は14個。同チームの村井啓一会長(73)は「来シーズンに向け、各チームとも相当警戒し始めた」と話す。それほど「59歳のルーキー」の登場は鮮烈だった。
 基本的に60歳以上が参加できる還暦軟式野球は、年一回の全国選手権大会が既に20回以上開かれ、メンバーも経験者ばかり。単なる草野球とは違い、技術水準は低くない。このためか選手数も安定していた。
 ところが昨年、県内では新規加入者が82人と、平年の5倍に急増した。新設チームの加盟が大きな要因だが、関係者は「人数の多い団塊の世代が、加われる年齢になったことが大きい」と口をそろえる。
 層の厚さから古川さんのような実力派の加入にも期待が集まる。「これから還暦球界全体が盛り上がっていくはず」と村井会長。特に郡山は、来年秋に開かれる全日本選抜還暦軟式大会の第10回記念大会を誘致しており、大会を盛り上げる「団塊パワー」への期待は一層大きい。
 古川さんも、その期待に応えようと意気込みは十分。身長158センチの小柄な体のため「ずっと大きい人には負けたくないという気持ちがあった」と言い、今も勝つためのランニングは欠かさない。
 「会社には継続雇用制度があるので60歳を過ぎても働きたい。野球は、それ以上に体力が続く限りやりたい」。「ルーキー」の悩みは、これから多くなる試合のための時間の確保という。
 「離婚は誇りじゃないし、家族にも申し訳ないことをした。でも、自分らしく生きたかった。職場にも恵まれ、人と出会う運転手が今、天職だと思える」と渡辺さんは言う。
 還暦野球  1979(昭和54)年、前橋市に7チームが誕生したのが発祥といわれる。県内では84年、福島シルバー野球クラブの誕生がスタート。現在、県還暦軟式野球連盟に13チーム(古希チームを除く)が加盟。春、秋のリーグ戦や選手権大会を行っている。
 


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