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▽7 【07 11/29掲載】
団塊ビジネス(3)

会津の地酒に囲まれながら地域経済の再生について語る深田社長=会津若松市東山温泉・千代滝

 
「夢の居場所」求めて/“脱旅館”の可能性を探る
 吾妻連峰と、そのふもとに広がる広葉樹林が一望できるミニ民宿の窓辺に座り、オーナーの高橋和子さん(59)=福島市=は「空気はいいし、水は山から流れる清水。のんびりしたり、友人同士でミニコンサートを開いてもいい」と話す。
 ミニ民宿が位置する福島市荒井は、国道115号が通り、数キロ東には東北道のインターチェンジがある。この立地を生かし周辺の温泉巡りや、浜通り、会津への行楽も可能で、近くの農地では市内のNPO法人が農業体験も計画中という。高橋さんの頭の中では、団塊の世代の「滞在型観光の拠点づくり」の構想が広がる。
 ただ高橋さんは「お金の問題ではない」とも言う。「私も来年は60歳。これまでコツコツ働いてきて、あと少しで『卒業』。10年前から『60になったら、好きなことをして、のんびり過ごしたい』と思っていた」。ミニ民宿は、そんな団塊の世代の「夢の居場所」という。
 夢の居場所づくりを、地域経済の再生と合わせて温めている経営者もいる。
 今年、会津若松市の東山温泉で観光協会長に就任した深田智之くつろぎ宿社長(43)は、温泉街にある使われていない旅館・ホテルなど未利用の建物・土地を活用する一つの手だてとして「大胆なコンバージョン(用途変更)が考えられる」と話す。
 深田社長のもう一つの肩書はコンサルタント会社「リゾートコンベンション企画」代表。同温泉の老舗旅館3館を一括再生するプロジェクトのため会津に来た自称「旅館・ホテルの再建請負屋」。
 銀行系シンクタンクの研究員などを経て独立。早速手掛けた高知県須崎市の「グリーンピア土佐横良」の再建では、同施設をレジャー体験のできる長期滞在型リゾート施設として売り出し、1年で黒字転換した実績で知られる。
 その辣(らつ)腕経営者が今、会津で温めるのは、使われていない旅館・ホテルやその一部を、地域外から住人を迎える居住施設「コミュニティハウス」として活用する構想。
 コミュニティハウスの導入は「今すぐ実行できるわけではない」と断りながらも「温泉観光の市場が縮小する中で、集客が落ちた旅館・ホテルは改修を重ねざるを得ない面がある。『1泊2日の旅館経営』は曲がり角にあるのではないか」と話す。
 コミュニティハウス 広い意味で、共同で使える居間や食堂、図書室など「公共」の施設を建物内に備える集合住宅。空間の共同利用による経済性と、住民同士の交流が日常的に行われるライフスタイルを提供する住宅形態として注目を集めている。
 


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