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▽8 【07 11/30掲載】
団塊ビジネス(4)

「団塊の世代の2地域住居は新しい開発の可能性をはらんでいる」と言う久保田本部長=郡山市、全日本不動産協会県本部

 
住居に生きがい提示/地域再生へ「2地域住居」
 会津若松市の東山温泉観光協会長でもある深田智之くつろぎ宿社長(43)が温めている温泉再生策の一つが、使われていない旅館などを「コミュニティハウス」として活用するもの。
 遊休化している旅館の旧館などを自炊ができるよう手を加えて貸し出す。温泉観光のマーケットがこれ以上拡大する可能性が低い今、改修のための投資を回収できる見込みは小さい。それならば「温泉に住む」という新しいマーケットを開こう−という発想。
 「定住に限らず2地域居住のための住まいでもいい。雪に埋もれてしまう郡部に住むお年寄りたちが、湯治場兼冬の住まいとして活用できるのではないか」と深田社長は話す。
 東京など大都市圏に住む団塊の世代が定年後、地方に住居を移す「定住・2地域居住」に関しては、深田社長に劣らず大胆な発想を持つのが不動産業界。全日本不動産協会県本部の久保田善九郎本部長(58)は「いっそ『2地域居住団地』をつくればいい」と言う。
 同協会は今春、県と協定を結び、東京の「ふくしまふるさと暮らし情報センター」を窓口に、都市住民からの土地、空き家など県内不動産に関する問い合わせに応じる体制を整えた。しかし久保田本部長は「まったくの(需要と供給の)ミスマッチ」と語気を荒らげ「月に10件ほどの問い合わせがあるが、『希望は古民家で、インターネットが使えること』とか『3LDKで家賃3万円台』など無理な条件ばかり」と話す。
 「それならば」と飛び出したのが「2地域居住団地」案。田園地帯に宅地を開きログハウス風の木造住宅を建て、県外在住者に安価で売り出す。ただ、田園地帯の開発には都市計画法、ログハウス風住宅の建設には建築基準法の縛りがあり、特区の設定が必要。久保田本部長は「いずれにせよリゾート開発でなく宅地開発でもない新しい開発の可能性がある」と夢を語る。
 ただ、団塊の世代をめぐるマーケットの可能性について、深田社長はこう付け加える。「構想の目的は地域再生。旅館・ホテルの用途変更も、再生に必要な人を呼び込む仕掛け。しかし、それだけでは目的は果たせない。肝心なのは、人が住んで生きがいを感じられること、生きがいの提案」。深田社長は将来、会津をこのプランの初の成功例にしたいという。
おわり
 ふくしまふるさと暮らし情報センター 県が2006年4月、東京・東銀座の「ふるさと情報センター」内に開設した、首都圏からの地方居住希望者の相談窓口。県内の不動産情報の照会のほか、相談員が常駐、県内での就職相談にも応じている。
 


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