運動不足"危険な影" 全国平均上回る肥満、ストレス影響

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運動不足

 子どもは社会の宝--。震災、原発事故からの復興へ長い道のりを歩む本県で、子どもたちの健やかな発達、成長は県民の願いだ。しかし、その子どもたちは避難生活や屋外活動への不安を背景に、運動能力の低下、肥満傾向、「こころの健康度」の低下など、さまざまな課題を抱えている。

 県教委がまとめた2013(平成25)年度の児童生徒の体力・運動能力の調査結果では、運動能力の指標となる総合得点の平均値が男女とも小学2年〜中学3年で12年度の全国平均を下回った。本県と全国のその差を示すのが【グラフ1】

 調査は県内の小学校57校、中学校50校、高校23校を抽出。握力や持久走など8種目の合計点を平均化した。全国平均と比べて小学2年〜中学3年で、男子が全国より0.85〜4.01ポイント低く、女子も0.44〜4.54ポイント下回った。震災前の本県10年度調査と比べても小学3年〜中学3年で男子は0.35〜2.79ポイント、女子は0.2〜1.69ポイント下がった。

 学年や競技など調査項目別に見ても、全国平均以上は98項目で全体の48%にとどまる。震災前の10年度の156項目(76.5%)を下回り、12年度の112項目(54.9%)よりも少ない。中学生では全国平均を上回る項目がなく、小学生も反復横跳びや握力の6項目にすぎない。

 文科省が昨年12月に発表した13年度の学校保健統計調査では、本県は調査対象の5〜17歳の全年齢で男女ともに肥満傾向児の出現率が全国平均を上回った。その差を示すのが【グラフ2】。運動不足が子どもの健康に影響しているとみられる。大半の年齢で前年の数値を上回り、県教委は運動不足が習慣化している可能性も指摘する。

 子どもたちへの被災の影響は身体だけなのか。福島医大の放射線医学県民健康管理センターが避難区域を対象にまとめた12年度の「子どもの情緒と行動に関するアンケート(SDQ)」によると、精神面で支援の必要があるとされた子どもは4〜6歳で16.5%、小学生16.3%、中学生12.3%に上り、4〜12歳を対象にした全国調査(08年発表)の平均値9.5%を全て上回った【グラフ3】。同センターは前年度と比べて健康度は回復傾向とみるが、子どもたちは依然、ストレスを抱えているとみられる。

 千葉養伍福島大人間発達文化学類長は「運動不足やストレス低減に向け生活習慣をどう取り戻すか、考える必要がある」と指摘する。

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 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から3年8カ月が経過したが、子どもたちは、さまざまな理由で「日常」を取り戻せずにいる。福島民友新聞社は子どもたちの今の姿を追いながら、健やかな成長への課題を考えていく。