【 地域へのまなざし(6) 】 「運動」みんなで楽しく

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 〈運動習慣が十分に身についていない児童が依然、多い。運動や外遊びをする子としない子の差が大きくなり、二極化の傾向が見られる〉

 県内の教育関係団体でつくる「大震災後の福島県の教育復興を進める会」は3月、県内小、中学校を対象に行ったアンケートの結果を報告書にまとめた。回答の自由記述欄には、教育現場が抱く強い問題意識がつづられている。

 調査は昨年11月〜今年1月、分校と私立、国立を除く学校を対象に行い、全体の66.8%に当たる465校から回答があった。児童の体力について、前年と比べた変化を小学校に尋ねると、「課題がある」「大いに課題」と答えた学校が18.9%に上り、「良い」「大いに良い」と答えた16.1%を上回った。

 習慣定着へ住民一役

 「中学校より小学校の方が深刻。原発事故直後、幼児期に厳しく外遊びを制限された子どもたちが、その後、小学校に入学し、体力面の問題が表面化しつつあるのではないか」。「進める会」の事務局を務める福島大人間発達文化学類教授の松下行則(57)はそう指摘し、「子どもにとって基礎体力は、学習での集中力と不可分の関係にある。各校で体力向上に取り組むだけでなく、地域や家庭でも子どもに運動を促すことを意識してほしい」と呼び掛ける。

 「これからする動きをまねしてみて」。3月28日、伊達市梁川町の白根地区。地域おこし支援員の山田昭彦(42)が、「寺子屋教室」の一環で子どもたちと運動に取り組んでいた。

 スポーツインストラクターとして働いていた経験を持つ山田は、市内の小学校を講師が訪れて運動を指導する市教委の事業にも加わり、子どもたちの体力向上を支援している。

 「活性化につながる」

 児童の体力について尋ねた「進める会」のアンケート結果を地域別にみると、県北は「課題がある」「大いに課題」と答えた割合が34.5%で、他地域と比べ突出して高い。山田は、子どもたちのために地域が果たせる役割は大きいと考えている。「幅広い年齢層の住民が参加し、地域全体で運動に取り組むような機会を設けていければと思う。子どもの体力向上が図られるだけでなく、子どもたちのはつらつとした姿で、お年寄りを元気づけることもできる。地域の活性化につながる」(文中敬称略)