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15 ◇   【07 2/2掲載】
21世紀の交流
21世紀の交流
おけいの墓を通じた東山小との交流を語るコーエン=昨年10月、プラサビル市のゴールド・トレイル・ユニオン校で
第一部
会津娘おけい物語
 おけいの人生紹介/日米両市民合作で本出版

 おけいの物語を知り、多くの外国人が毎年、会津若松市を訪れるようになった。そのたびに通訳や観光名所の案内などの支援活動を続けるのは、市民による会津エルドラド交流の会。2003(平成15)年、ヘンリー・シュネルが若松コロニーを去った後、おけいら若松コロニーの人々を世話したビアカンプ家の子孫フィリップ・ビアカンプ夫妻と教師ジャネット・コーエンが会津若松市を訪れる際、3人を歓迎するために東山小PTAや市民有志で設立された。設立時に1人1500円を集めて3人の旅費に充てただけで、現在は約80人の会員が、手弁当でホームステイの受け入れや手紙の交換などを続ける。

 会長の大谷春之は神奈川県出身。妻で書家の繁子(雅号・磐雨)の会津若松市の実家で塾を開く。「おけいを通じた交流に興味を持ったのがきっかけ。神奈川に比べて歴史がある会津がうらやましく、敗者の悲しみの分かる、情に厚い会津の人たちの心に触れて、その仲間に加わりたいと思った」という。

 昨年末、米国で一冊の本が出版された。作家ジョアン・バーソッチによる「おけいさん」で、題字は大谷磐雨。バーソッチは、若松コロニーのイメージ図を描いた画家の娘キャロル・マシウスと本を出版しており、長年の構想を実現させた。来日の際に磐雨が書家と知り、題字を依頼。一方で大谷春之はこの「おけいさん」の和訳にいそしむ。日米両国市民の合作による新しいおけい物語の船出だ。

 このほかにも、おけいの人生を英語圏に紹介している人がいる。会津美里町(旧会津高田町)に48年間暮らした宣教師の妻エブリン・クレーラー(ハワイ・ホノルル在住)。クレーラーは、「少女おけい」を著した幼稚園教師鶴賀イチの友人で、「美しい会津の自然と、会津の女性を子どもたちに伝えたい」と、鶴賀の本を英訳して友人に配っている。

 米国では新たな動きも起きている。昨年12月、米国で日系人史跡保存法案が成立した。これは、太平洋戦争開戦後に米政府が日系人を強制収容した10カ所の収容所跡を保存する約44億9000万円にものぼる事業で、同事業にかかわる全米日系人歴史保存会理事の河内泰彦フレデリックは「おけいさんは日系人のルーツであり、パイオニア」と、収容所とともに、おけいの墓の保存も広く訴える考えだ。

 大谷、クレーラー、そして河内。日米の多くの人々が今もなお、おけい物語に魅せられ、それぞれの活動を続けている。(敬称略)
 =第1部おわり。第2部は今月下旬から掲載予定

(報道部・藍原寛子)
 


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