【平成19年】会津学鳳中・高誕生 県内初の併設型公立中高一貫校で成長

 
会津学鳳中・高の初めての入学式。新校舎の建設が遅れ會津風雅堂で行われた=2007年4月

 県内初の併設型公立中高一貫校として期待と注目を集めながら2007(平成19)年、会津若松市に会津学鳳中・高が誕生した。「夢を見つけやすく、大きな可能性を持つ。特に中学生にとって高校生と関われることは大きい」。新しい校舎で学ぶ機会はなかったが、教育実習を同校で行った会津学鳳高1期生の佐久間唯さん(32)はその魅力を語る。

 佐久間さんが1期生となった会津学鳳高は、若松女高が前身。同校には普通科と家政科があったが、02年に男女共学の総合学科に転換した。07年4月に会津学鳳高と会津学鳳中が併設の中高一貫教育校として誕生したが、富士通会津工場跡地の新校舎建設予定地からフッ素が検出され、土壌調査や除去作業のため工期が大幅に遅れた。新校舎で授業を開始したのは9月だった。

 「扇風機からエアコンになり、机もきれい。設備が整っていて、本当に大学のようだった」。会津学鳳高の3年生として新校舎で半年間学んだ渡部瞳さん(29)は、当時を振り返る。受験も控えていたが、引っ越しに苦労をした記憶はないという。所属していた合唱部では、高校生に交じって中学生も一緒に練習。「中学生はおっかなびっくりだったかもしれないが、高校生から刺激は受けていたはず。一緒にやれることは、お互いのためにいいと思う」。渡部さんも佐久間さんと同様、中高一貫教育に利点があると感じている。

 佐久間さんと渡部さんは教員になるという夢を実現させ、今月から同じ北塩原一中(北塩原村)に勤務している。「高校生と関わることで、夢に向き合える学校」と佐久間さん。渡部さんも「勉強や部活動など生徒の活躍を耳にすると本当にうれしい。そういう人がもっと増えれば中高一貫教育にした意味が大きくなる」と期待を膨らませる。

                  

 会津学鳳中・高 若松女高を前身とし、2002(平成14)年の男女共学化を経て07年、県内初の併設型公立中高一貫校として開校。「国際化、情報化社会に夢拓(ひら)く力の育成」を基本概念に、教育課程を工夫している。国際的な科学技術者の育成を目指した国の「スーパーサイエンスハイスクール事業」の指定も受けている。

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 【平成19年の出来事】
2月・尾瀬国立公園が誕生
4月・会津学鳳中・高が誕生
5月・会津若松市の県立高生が母親殺害

 〔国内・海外〕▼参院選で自民が歴史的惨敗▼安倍首相が退陣、後任に福田氏▼「消えた年金」問題▼米サブプライムローン問題で世界経済・金融が混乱
 流行語
「ハニカミ王子」「そんなの関係ねぇ」「猛暑日」
 ヒット曲
嵐『Love so sweet』藤岡藤巻と大橋のぞみ『崖の上のポニョ』ORANGE RANGE『イケナイ太陽』