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赤ちゃんを救え (2006.05.02)
彩花ちゃんが真夜中に緊急入院した大垣市民病院 

誕生の翌日に異変/小腸機能せず、肝臓も悪化
  5臓器移植を受けた茨城県水海道市(現・常総市)の神達彩花ちゃん(1つ)の両親、良司さん(35)と宏美さん(30)が出会ったのは今から12年前。当時、良司さんは鹿島アントラーズの私設応援団副団長、宏美さんは名古屋グランパスのサポーターだった。ホーム対アウエーの立場も、サポーター仲間として顔を合わせるうちに「ひょうきんで寂しがり。友達が多くて優しい人」(宏美さん)、「かわいらしくて、しっかり者」(良司さん)と互いにひかれていった。1997(平成9)年、「サッカーが結んだ縁」でゴールインした。結婚8年目で宏美さんは妊娠し、出産のため岐阜県大垣市に里帰りした。
 陣痛が始まったのは宏美さんの誕生日の翌日、1月10日の午前7時。実家の近くのクリニックで自然分娩(ぶんべん)だった。3020グラムの女の子の大きな泣き声が分娩室に響いた。
 わが子を初めて見た良司さんは、あまりのかわいらしさに思わず絶句した。ほおも、小さなくちびるもピンクに輝いていた。「天使って、この子のことだ」。心からいとしいと思った。宏美さんも出産の疲れのなかで「かけがえのない子」と同じ思いを抱いた。2人はまな娘に「彩る花が美しく咲くように、素直な子に育って」と願いを込めて「彩花(あやか)」と名付けた。
ミルク飲まず、排便なし
 ところがその翌日。ミルクを飲まず、排便もない。さらに夜中の突然のおう吐。「何か問題が起きている」と医師が判断し、12日午前2時、車で約10分の大垣市民病院のNICU(新生児集中治療室)に救急車で緊急入院した。
 深刻な腸の病気である疑いが強まり、その夕方に人工肛門(こうもん)を作る緊急手術が行われた。誕生からわずか3日後だった。腸の細胞を取って検査した結果、消化管の神経細胞が未成熟なために腸の消化吸収が不十分である「先天性巨大結腸症(ヒルシュスプルング症)類縁疾患の疑い」と診断された。人工肛門を付けて日常生活を送る患者も多いが、彩花ちゃんはすべての腸管壁内の神経細胞が未熟で、小腸はほとんど機能しないという大変重い症状だった。点滴で静脈から栄養を取ったが内臓への負担は重く、肝臓の状態も悪化していった。
 もう治療法はない…
 ある日2人は医師に呼ばれ、こう告げられた。「良くてあと数カ月の命」。もう治療法はない−。余命宣告だった。生まれてからまだ8カ月と2週間しかたっていなかった。
 
 


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