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赤ちゃんを救え (2006.05.03)
日に日に状態が悪化していたころの彩花ちゃん=昨年8月20日

万が一の時を覚悟/涙が枯れるまで泣く
  「お母さん、『万が一のために着替えを準備して』って言われたの」。茨城県水海道市(現・常総市)から岐阜県大垣市民病院を訪ねた良司さんの母シゲ子さんに、宏美さんが涙で打ち明けた。「着替え」とは、余命宣告を受けた彩花ちゃんの「死に装束」のことだった。
テレビ画面にくぎ付け
 さっき自分の腕の中で笑っていた彩花が本当に死んでしまうのか。「お母さんがすてきなドレスを買ってあげるからね。でも彩花の命は彩花が決めること。もしかしたら、そのドレスはお守りになるかもしれないから、ヒロ、しっかり持っていなさい」。良司さんと3人、涙が枯れるまで泣いた。それから間もなくのこと。昼休みにテレビを見ていたシゲ子さんは画面にくぎ付けになった。腸の病気で余命宣告を受けた後、募金活動をしてチリから渡米し、マイアミで多臓器移植を受け助かった赤ちゃん大橋陽佑ちゃん(新潟市)の笑顔が画面に映し出されていた。もう居ても立ってもいられず、良司さんに知らせた。
 連絡を受けた良司さんは直接テレビ局に電話をしたが、手術をした医師の連絡先は教えてもらえなかった。そこで友人のコメディアン「電撃ネットワーク」のギュウゾウさんに連絡。ギュウゾウさんから番組のディレクターを経由し、マイアミ大准教授の加藤友朗医師(42)の電子メールのアドレスを教えてもらった。携帯電話のメール機能を使って加藤医師へメールを送った。
助かるかもしれない…
 加藤医師の返信は、彩花ちゃんも陽佑ちゃんと同じく「多臓器移植が必要」という内容だった。調べてみると、日本では15歳未満の子どもは脳死状態での臓器提供が禁止されており、国内で多臓器移植を受けるのは非常に困難であることも分かった。
 「海外で移植を受ければ助かるかもしれない。でもそれには1億円以上のお金が必要」。良司さんは、幼なじみでサポーター仲間の会社員戸塚一彰さん(常総市)とサッカージャーナリスト吉沢康一さん(さいたま市)ら、親しい仲間に気持ちを打ち明けた。
 そのころ、彩花ちゃんの肌は肝臓の状態が悪化して黄疸(おうだん)でくすんだ黄色になり、「命の時間」が残り少ないことを告げていた。
 良司さんと吉沢さんは、加藤医師から紹介された臓器移植啓発団体のトリオ・ジャパン事務局長、荒波嘉男さんを訪ねた。
 
 


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