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移植医療の現場 29(2006.08.23)
治療を受ける子どもが両親や家族と一緒に過ごせるよう、トイレや風呂、テレビなどが備わった一般病棟=ジャクソン記念病院

一般病棟で患者ケア/医師に対し積極的意見も
  マイアミ大ジャクソン記念病院の小児移植外科チームは、小児集中治療室(PICU)を後にすると、移植前後の患者ら十人ほどが入院する一般病棟に向かい、入院患者の診察に当たった。
 入院しているのは移植前と移植後の患者。移植前の患者は、待機リストへの登載のための検査などで入院し、採血や全身機能の検査などを行う。症状が悪化している患者は入院のまま、移植を待つ。病室では「移植前コーディネーター」のモニカが、検査内容や手術前の健康管理、臓器提供者(ドナー)が現れた際の対応などを説明していく。
 移植手術を受けた患者は、治療の合間に「移植後コーディネーター」のナタリーやリサから病院での治療内容に加え、退院後の自宅での投薬治療や健康管理の説明を受けた。
 移植患者は手術後、順調な回復をたどれば、退院して自宅で過ごしたり、学校や仕事に通うなど、病院から離れて生活できる。患者本人や家族による体調管理と定期的な薬の服用が非常に重要になってくる。
 病室には、移植後コーディネーターやソーシャルワーカー、臨床栄養士、臨床薬剤師、人工肛門(こうもん)ケア看護師、術後のリハビリを担当する呼吸器セラピスト、理学療法士らが病室を次々と訪れてケアやセラピーをしていく。患者の子どもや父母が移植を理解できるよう、コーディネーターによるビデオや資料を使った学習会も開かれる。
 病室には子どものベッドのほか、トイレと風呂もある。簡易ベッドになるいすがあり、両親や家族は病気の子どもと一緒に寝泊まりできるようになっている。壁には外線電話が設置され、外部に直通でかけられるほか、インターネット回線やテレビもある。
 ある日のこと、多臓器移植を受けた女の子の母親がナース・ステーションに来た。「医療者は患者ともっとコミュニケーションを取らないと。検査をして終わり、では患者を診たことにならないわよ」。医師や看護師に対しても積極的に意見を言う患者や家族が多く、的確な説明をして理解してもらうことも医療者の重要な仕事だ。
 毎週水曜日の朝、移植外科の肝小腸移植チームは特に忙しい。別の建物にある会議室で開かれる生体検査の会議が開かれるからだ。
 患者から採取した細胞を顕微鏡で診て分析する。GVHD(移植片対宿主病)などの拒絶反応や感染症、移植後リンパ腫などを迅速に診断する重要な会議で、出席者が活発に意見を出し合った。
 
 


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