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臓器獲得機関OPO 50(2006.12.10)

腎臓の提供者を交換/公平、安全性に問題も
 今年10月、1通の電子メールが飛び込んできた。生体ドナー募集のホームページを運営する民間商業団体「マッチングドナーズ・ドット・コム」で生体ドナーを募集したあのシャロン(仮名、以下同)が、腎臓移植を受けたという。シャロンは、ほかの患者と生体ドナー(臓器提供者)を交換する「生体ドナー交換移植」で移植を受けたという。
 シャロンは当初、ホームページで知り合ったスーザンを自分のドナー候補にしていた。同じころ、別の腎臓移植希望患者シェーンは、妻からの生体腎移植を予定。移植病院がこの2組の組織適合を調べたところ、互いのドナーを交換して移植をした方が成功する可能性が高いと分かった。そこで生体ドナー交換が行われた。
 しかし、この移植が制度として存在しても、議論が全くないわけではない。どちらか片方だけでも患者の移植手術が成功しなかったり、病状が改善しなかった場合やドナーの体調が悪くなった場合、双方の人間関係も含めて深刻な問題を抱える可能性がある。
 移植を急ぐあまりに、ドナーになる人に対して心理的あるいは経済的など何らかの圧力や虐待が加えられはしないか。手続きの途中で気持ちが変わっても、提供を拒否できなくなる可能性もある。
脳死ドナー減り生体増加
 米国では脳死から臓器提供が行われて移植手術の件数が増え、手術の安全性も高まって移植が身近になった。同時に移植希望の患者も増えた。脳死のドナーは不足し生体移植が増えた。
 脳死と生体のドナー数を比べると、2001、02と03年は生体ドナー数が脳死・心停止(死亡者)ドナー数を上回った。03年は死亡ドナーが6457人、生体ドナーは6828人。05年は死亡が7593人、生体が6896人。米国は移植大国であると同時に、生体移植大国になった。
 ドナーの範囲を亡くなった人から生きている人に拡大すれば、移植件数は飛躍的に伸びるが問題も残る。患者の移植の機会や権利の拡大と同時に、公平性や安全性をどうやって確保するのか。米政府をはじめ州、病院や大学、医師から法律家、OPO、患者まで幅広い機関や人々が参加して、米国の複雑な社会構造や医療文化などに基づいて延々と議論している。
 米国は日本同様に、より良い移植制度や治療を目指して試行錯誤と議論を繰り返している。国全体として移植推進を志向しながらも、その中で起きる課題への対応を迫られている。「悩める移植大国」というのが真の姿ではないか。
 
 


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