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臓器獲得機関OPO 53(2006.12.14)
スペイン語のテレビ局で、腎臓移植を受けた男性患者(右から3人目)と妻(同2人目)とともに生放送に出演するフラガさん(右端) 

テレビに出演し啓発/移植の正しい情報を提供
 マイアミのOPOライフアライアンスの広報で、ドナー家族ケア担当のイリアン・フラガさんは昨年8月の午後、マイアミ郊外のスペイン語テレビ局に向けて車を走らせていた。腎臓移植を受けた患者らと、臓器提供や移植を啓発する生放送の番組に出演するためだ。
ドナー家族1285人支援
 フラガさんは「ドナー家族サービス・コーディネーター」職で、OPOのドナー家族支援プログラムのもと、ドナー家族1285人の支援をしている。テレビ番組は、移植を受けた患者とフラガさんが出演し、臓器提供や移植医療の意義を訴える内容。
 マイアミでは南米からの移民が全体の6割といわれており、スペイン語が母国語の人々に臓器提供を呼び掛ける事業は重視されている。「OPOの顔」として、外部に正しい情報を提供するフラガさんは重要な役割を担っている。
 番組の中で、腎臓移植を受けた男性は妻の手を握りながら「ドナーとそのご家族に感謝しています」と涙声で語った。その脇でフラガさんが、臓器提供の現状や重要性を解説した。
 フラガさんはこのほか、「キワニス・クラブ」など地域の奉仕団体、会社、若者グループの会合などにこまめに出掛けていって啓発ビデオを放映したり、チラシやドナーカードを配る。
ドナー家族に対し面会設定
 ドナー家族に対して移植患者の術後の経緯を報告したり、移植患者から礼状を預かってドナー家族に届けたり、ドナー家族と移植患者の面会の場を設定することもフラガさんの仕事だ。
 特にドナー家族と患者の面会では、医療ソーシャルワーカーとしての専門性を生かし、双方の心理状態や経済状況、社会環境などを最低でも半年以上かけて調べ、可否を判断する。正しい判断のもとで会えば、双方の心理的ケアにつながるが、一歩間違えばドナー家族に家族の死という悲しみを思い起こさせるだけに止まり、心理的悪影響も及ぼしかねない。
 また、ドナー家族は家族を失った悲しみから精神的に不安定になることがある。フラガさんは、医療保険や福祉制度を活用した臨床心理士のケアを紹介したり、同じ体験をしたドナー家族同士が語り合う「ピア・カウンセリング」の機会を設定したり、ドナー家族の団体を紹介することもある。
 「臓器提供で患者の生命を救うのは重要なこと」とフラガさんは語る。年間約7000件の脳死・心停止の臓器提供がある米国だが、フラガさんは「情報や教育が十分でないために、家族が臓器提供について判断しにくい場合がある。家族が納得して結論を出せる手助けをしたい」と話す。
 
 


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