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臓器獲得機関OPO |
|54|(2006.12.15) |
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| ジャクソン記念病院の書店で売られていた「生前意思表示書(リビング・ウィル)」 |
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死の権利と治療撤退/患者と家族の決断尊重
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今年2月、交通事故で20代の男性が病院の集中治療室に運ばれた。意識はなく人工呼吸器が装着されたが、治療の医師は「脳死ではないが死の途上にある」と診断。「終末期には延命治療をしない」という本人の意思表示と家族の希望で、治療撤退(ウィズドローアル・オブ・ケア)が選択された。
人工呼吸器は止められ、家族にみとられて男性の拍動は止まった。
治療する医師は「患者は死の途上にある」と診断すると、本人意思などをもとに家族や看護師らと今後の治療を話し合う。病院の倫理委員会が見解を示す場合もあり、最後の選択が治療撤退。昇圧剤を投与しないなどの消極対応と、生命維持装置を停止するなどの積極的対応がある。
人工呼吸器の停止前、OPOのドナーコーディネーターは、家族から臓器提供の同意を得ていた。男性は心臓停止後の臓器提供者(ドナー)になった。臓器提供は本人意思や家族の選択を尊重して進められた。ドナーコーディネーターは人工呼吸器を止める前後、患者と家族だけで静かに別れができる時間を確保できるよう環境を整えた。
プライバシー権で規定
米国で治療撤退が行われる理由の一つは、治療で患者本人や家族の決断を尊重するから。もう1つには、回復する、しないにかかわらず「意味のない投薬や治療をしてはならない」とする病院第三者機関や保険支払機関の審査、病院の方針があるから。本人意思の尊重は憲法のプライバシー権で規定され、各州は本人意思に基づく生命維持装置の取り外しを認める「死の権利法」を制定。同法に従えば、医師は殺人罪に問われない。
入院前の患者は必ず生前意思を示すよう求められる。
死の権利と治療撤退、生前意思。死を巡る論議は、脳死や臓器移植とは別に40年以上も続く。法曹界は判例と新法で、医療界は医療改革で対応してきた。
有名なのは70年代のカレン・クインランさん、90年代のナンシー・クルーザンさん、2000年以降のテリ・シャイボさんという3人の植物状態の女性患者の「死の権利」を巡り、家族が生命維持装置の停止を求めた裁判。全米を巻き込む論議のなか、いずれも家族の訴えを認める判決が出され、3人は死亡した。
治療撤退がタブーではなくなる一方で、終末期や救急医療の充実が図られた。ホスピス整備や外傷救急病院の高度化と救急ヘリの積極活用。医療技術向上や医師の十分な説明と患者教育、病院の倫理委員会の迅速な協議も進んだ。
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