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教育現場から
教育現場から
地球環境とエネルギーの学習で、太陽光電池のパネルを使った実験に興味を示す児童たち=郡山市・多田野小
第3部 身近なCO削減

(1)直接体験で興味養う //家庭への波及効果期待//  (08.07.06)
 地球温暖化問題を主要テーマにした北海道洞爺湖サミットが7日から始まる。二酸化炭素(CO)など温室効果ガスの削減に向けた実効性のある国際的な枠組みの合意をめぐり、主要国首脳が議論を交わす。産業活動や生活でエネルギーを消費して排出された温室効果ガスをいかに減らすか。世界規模での削減の方策が模索される中、身近な経済活動や生活の中からの温暖化防止対策も重要な鍵を握る。CO削減に取り組む県民の姿を追う。

 郡山市の多田野小。COの8%削減に取り組む県の「福島議定書」事業で昨年度、小学校の部で最優秀賞を受けた。CO排出量の削減目標を定めた議定書を知事と締結し、目標達成に向けた省エネ活動などを実践してもらう同事業で、同校は節電や節水により18.16%の削減を達成した。
 県環境共生課の飯塚俊二課長は「子どもたちは学校で、しなければいけないこととして節電や節水に一生懸命取り組んでくれる。家庭に帰ったときに、同じことを家族が一緒にしてくれるだろう」と、議定書事業の意義を語る。
 多田野小は省エネ活動にとどまらず、地球温暖化のメカニズムやCO排出源の化石燃料に代わる新エネルギーへの理解を深めるための「地球環境とエネルギー」の学習に熱心だ。
 6月10日、4年生が理科の授業の一環として太陽光発電の仕組みを学んだ。授業の講師は、郡山市にある京セラケミカル郡山工場の社員。「電気をつくるときに石油や石炭を燃やすと、たくさんの二酸化炭素が出る。地球にやさしいエネルギーはないのかな」と問題提起、同社の製品を使った光電池のパネルを用い、太陽光で電気が起きる仕組みを説明。実際に光電池を使った車や電車の模型が太陽の光を受けると動きだす実験を行った。
 「動くときに自動車のような煙が出ない。すごい力がある」と太陽光エネルギーの威力に驚く児童の姿に触れた羽川昌広校長は、地球環境とエネルギーの学習の意義について「じっと我慢する省エネばかりではなく、科学技術の振興が大事」と語る。
 授業を進めるため同校は民間の出前授業の受け入れをはじめ、文部科学省や経済産業省などの教育支援メニューを活用しながら大学や企業などの研究機関に積極的に出向くこととし、児童が最先端の科学技術に触れている。羽川校長は「直接体験が興味につながる。子どもたちが将来、地球温暖化をはじめ環境問題に興味を持ち、実践力につながれば」と環境教育の重要性を説く。
   
 


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