連載 ホーム 県内ニュース スポーツ 社説 イベント 観光 グルメ 健康・医療 購読申込  
 

   
 
まちづくりの視点
まちづくりの視点
歩いて暮らせるまちづくり社会実験では、自転車の貸し出しも行われた=昨年度・会津若松市での実験
第3部 身近なCO削減

(8)「車」から「人」中心へ //環境負荷の少ない交通//  (08.07.16)
 
 
 会津若松市の民間タクシー会社広田タクシーは、廃油を燃料化したバイオディーゼル燃料(BDF)をタクシーやスクールバスで使用している。回収した廃油を共同作業所などの協力で精製。事業化して3年目を迎えた。
 常勤役員の遠藤誠人さんは「二酸化炭素(CO)はゼロ」とBDFの利点を挙げる。事業として続ける上で廃油の回収が課題というが、最近では利用者から「うちの廃油を使って」と声を掛けられることが多くなった。市民の認知度が上がっていることを感じる遠藤さんは、環境への負荷が少ない交通事業として、今後のまちづくりに貢献したいと考えている。
 同市で昨年度、歩いて暮らせるまちづくり社会実験が行われた。中心市街地のにぎわい創出や人口減少、高齢社会に対応した新しいまちづくりを模索するための実験で、担当者は「車社会になり、マイカーが日常の足代わり。公共交通機関が発達していない会津地方ではなおさら」と実験の意義を話す。
 同市の実験では、街中を循環するバスを運行させた。マイカーでの来街者を乗り合いバスで呼び込み、街中を歩いてもらおうという実験。中心市街地の活性化と同時に、車からのCO排出を抑えようという狙いだ。環境への負荷の少ない交通事業について同市は「今後のまちづくりの中で推進を図りたい」とするが、行政だけでは実現が困難とみており、民間事業者の協力を求めている。
 歩いて暮らせるまちづくり社会実験は、「車」から「人」を中心とした視点でまちづくりを考えようと県内で2006(平成18)年度に郡山市、昨年度に会津若松市のほか福島、いわきの両市で行われた。県は実験の成果を基に今秋、市町村や商工団体、まちづくり関係団体などの「まちづくりの手引書」となるビジョンをまとめる。
 郊外の幹線道路に大型店などが建ち、住宅地が円心状に広がる地方都市ではマイカーへの依存度が高い。車からのCO2排出量が高い傾向にあると指摘されるだけに、CO削減の視点が今後のまちづくりに求められる。=第三部おわり
   
 


〒960-8648 福島県福島市柳町4の29
個人情報の取り扱いについてリンクの設定について著作権について

国内外のニュースは共同通信社の配信を受けています。

このサイトに記載された記事及び画像の無断転載を禁じます。copyright(c) THE FUKUSHIMA MINYU SHIMBUN