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 フルーツ王国復権へ 
 
  県民は誇り取り戻そう

 果樹王国の福島。今年もサクランボ、桃、ブドウ、梨と続く、うれしい季節がやってくる。私自身は昨年、生産者には真に酷な低価格の恩恵も受け、よく食べ、よく贈った。贈られた知人も例外なく絶賛してくれた。今年は除染の効果や検査体制の充実もあり、一層の安全性が確保されるわけで、福島ブランド復活への足掛かりを何としてもつかんでもらいたい。
 ただ、関係者の見方は引き続き慎重だ。ひところのように加工品に至るまで福島県産を全て受け付けないという消費者の極端な反応こそ薄れたが、依然、県産農作物への拒否反応は強く、先の見えない闘いが続く。地元農協では新たな出荷基準値を順守すべく、ずらりと並ぶ測定機器をフル稼働させるなど、涙ぐましい努力が続くが、別途、大手スーパーなどが設定する、より厳格な独自基準が独り歩きし、食の現場は混乱している。
 私は昨年4月に当地に赴任して以来、新鮮な県産品を好んで口にしてきた。他方で定点チェックとして、先日、内部被ばく検査を受け、自分自身の”未検出”を確認済み。今年も自信満々、福島の桃を全国の仲間たちに贈るつもりだ。充実の検査体制で安全性が確認された県産品を、われわれ県民自身が誇りを持って、食べ、売り込んでいくことが風評被害払拭(ふっしょく)の第一歩だと思う。

けいざい散歩


2012年6月10日付
福島民友新聞に掲載

 

 

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