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 「八重の桜」放映開始 
 
  観光施設整備 計画的に

 NHKの大河ドラマ「八重の桜」の放映が開始された。放映前の原稿執筆のため、初回の出来を云々(うんぬん)することはかなわないが、主演の綾瀬はるかさんの透明感は、不器用なまでに信念を貫く新島八重を描くにふさわしい。大いに期待したい。
 その効果もあって本県の観光には昨年秋から明るさが戻り始めている。鶴ケ城の入り込みは例年並みを回復し、一部温泉地には大型バスも戻ってきた。ドラマのヒットとともに福島の観光が力強く復活することも展望できるのではないか。
 ただ、震災前にも県内観光地への客足が徐々に減少していた事実を踏まえれば、「震災前の水準に戻ればそれで良い」ということではないだろう。もっと県外客に足を運んでもらえるよう、有効な手だてを講じていく必要がある。
 転勤者の目から見ると、本県の観光地は温泉をはじめ、実に魅力的なものばかりだが、三春の滝桜や花見山のように、季節限定かつ比較的規模の小さい名所が点在しているという弱点がある。絶対の集客力を誇ったスカイラインや五色沼も施設の老朽化が目立つ。つなぎの交通網や施設整備を計画的に進めることは重要だ。加えて福島の街中に花見山や五色沼の大映像や名産品を通年楽しめる総合観光施設があれば、短期の出張者にも魅力を効果的に伝えられるように思う。 


けいざい散歩


2013年1月7日付
福島民友新聞に掲載

 

 

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