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 電力料金値上げ 
 
  エネ政策の当然の帰結

 東北電力が今年7月からの料金値上げを打ち出した。主務大臣認可が必要な家庭向けはもちろん、企業向けについても、値上げ幅に関しては、なお調整の余地はあろうが、仮に申請通りの値上げが実現すれば製造原価に占める電気代のウエートが高い素材型業種を中心に、その影響は甚大だ。
 ただ、この値上げは原発の再稼働を否定し、化石燃料中心の発電に回帰したエネルギー政策の当然の帰結でもある。折しも世界経済の回復期待や円安の進行により、昨年後半から原油価格は急上昇、その影響が日本経済を直撃している。
 将来的にはシェールガス革命による燃料価格の下落も期待されるが、その効果は世界共通のもの。一方、わが国固有の事情として、再生可能エネルギーの高値買い取りの累積は料金をさらに上昇させる方向で作用する。電力料金の内外価格差が一層拡大していくことが懸念される。
 世界は今、消費税や社会保険料の個人負担を引き上げる一方で、法人税減税などで企業の負担を軽くし、自国企業の国際競争力を高める改革が流行している。改革の是非はともかく、こうした経営環境の中にあって、なお日本企業が競争力を維持していくためには、安価かつ安定的な電力の確保は不可欠だ。いま一度、エネルギー政策を冷静に見つめ直すべき時が来ている。


けいざい散歩


2013年3月4日付
福島民友新聞に掲載

 

 

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