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指導力が成績に直結
【平成18年 1月5日掲載】
富田孝志県教育長に少人数教育検討委の報告書を手渡す滝沢会長(右)。報告書はすべての小中学校に配布された=昨年9月30日
学級間格差につながる懸念
少人数学級 (下)
 県教委の少人数教育検討委員会(会長・滝沢雄一福島大助教授)が昨年9月、本県の少人数教育の方向性と課題を1冊の報告書にまとめた。この中の実践上の課題に、教員の意識改革や教員の指導力向上、指導方法の工夫に加えて「講師任用と配置の改善」という項目が盛り込まれた。

 県教委によると、全学年への少人数学級の導入で、小学校は537学級、中学校で371学級が増えた。教員の増加分は、正採用365人と、県採用による常勤講師903人で対応。学級増のほとんどを講師で補った形だ。

 しかし、講師は単年度採用の上に、毎年、同じ学校に配置されるとは限らない。このため学級担任になった場合は、学級経営の継続性が保ちにくいという指摘がある。また、担任が毎年代われば、児童、生徒の個性や特徴、能力を把握するまでに時間がかかり、効率性に疑問が残る。

 さらに、少人数学級は教員の指導力の差が成績に直結しやすく、学級間格差につながると懸念されている。教員の指導力は正教員、講師の身分差とは関係ないが、子どもを1年間預ける保護者の意識は複雑だ。公平性を疑問視する指摘に、県教委は「差はない」と説明するしかない状況だ。

 元日に合併し、南相馬市に加わった旧鹿島町。県教委の少人数学級は33人編成が基準だが、鹿島は2004(平成16)年度から県内で唯一、独自に小中学校全学年で「30人学級」を実施している。

 県支援による常勤講師の配置は33人編成が基準のため、鹿島は県支援に頼らない非常勤講師を1人雇用した。しかし、勤務時間に制限がある非常勤講師は、学級担任になれない。青木紀男元教育長は「市町村が学級担任も可能な常勤講師を独自に雇えるよう改善すべきだ。もしくは県の支援基準を33人ではなく、30人にしてほしい」と訴える。

 鹿島と同様に市町村が独自に採用する非常勤講師は昨年7月現在、42人。採用理由は少人数学級のほか、複式学級、特殊学級の指導などさまざまだが、市町村の厳しい財政状況下では、わずかな人件費も大きな負担になる。

 少人数学級の導入による教員、講師の大量採用が質の低下を招くという指摘もある。

 教員の指導力向上を前提とした少人数学級だからこそ、教員の質の向上が大きな課題になる。
 


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