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民間のノウハウ活用
【平成18年 1月6日掲載】
福島大総合教育研究センターが開いた教員養成をテーマにした講演会。教員の指導力向上に大学が果たす役割は大きい=昨年10月1日
多忙な日常に欠かせぬ努力
教員の指導力
 県教委は昨夏、県立高校の数学教員63人を東京の予備校大手、駿台予備学校のセミナーに参加させた。予備校の講師が授業を見せ、指導法を紹介する。

 セミナーは教員の授業力強化が狙いだ。これまでは校内での公開授業、教育センターを活用した研修が中心だったが、受験指導に秀でた民間のノウハウを活用しようと初めて参加させた。県教委は「予備校は教材研究、入試の分析など専門性に優れている。数学の問題も解法の明快さなど参考になる」と説明した。

 同校には全国から年間約2000人が自費や自治体、学校の負担で参加するという。ほかの予備校も同様のセミナーを続々開設しており、今や先生も予備校で学ぶ時代だ。

 日々の授業や部活動、担任としての役割―。中野明徳福島大教授は「教員が時間に縛られ、相当なストレスを抱えている。当然、教育の質は落ちる。教員にこそ『ゆとり教育』が必要」と危機感を募らせる。

 中野教授は日米の教員を対象に1つの調査を実施した。この中で「自分に教師としての適格性があるか」と問うと、「はい」と答えた教員は米国90%に対し、日本は20%にとどまった。自身の適性に疑問を抱き、自信を持てない日本の教員。中野教授は「学校機能が役割分担されている米国に比べ、担任の負担、責任が重い。日本の学校は教員がパンクするシステム」と警鐘を鳴らす。

 一方で、県内の中学校教諭は指摘する。「確かに各種調査、報告書など事務量が増えたが、部活指導があっても教科をきちんとやっている先生はいる。忙しい、仕事が多いという先生は自らの専門教科の準備も十分にできない人が多い」

 福島大は2002(平成14)年度から総合教育研究センターで小中学校、高校の現役教員を対象に研修講座を開設している。「知的財産を持つ大学と、学校現場とのつながりが見えなかった。大学の財産を現場に提供し、教員の学びの場にしなければならない」。元小学校長の宮前貢教授は講座開設の経緯を自身の経験を踏まえて説明する。

 教科別、授業の進め方などテーマごとに十数講座を設けた。本年度は延べ約2000人が夏休みや土曜日に受講。受講者数は県内すべての教職員の1割に相当する。宮前教授は訴える。「教師が多忙化しているのは事実だが、常に指導力を高める努力はすべきだ」 
 


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