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小中一貫で児童に刺激
【平成18年 1月10日掲載】
公立では全国初の小中連携として開校した湖南小中学校。中学生が小学生を指導する姿もよく見られる
過疎地の熱意 行政を動かす
新しい形
 猪苗代湖に面した郡山市湖南町。奥羽山系で市街地と隔たる静かな農村に昨年4月、公立では全国に先駆けて小中一貫教育を行う湖南小中学校(小学校157人、中学校128人)が開校した。

 地区の小学校全5校を統合し、既存の湖南中に併設して校舎を新築した。小学1年から中学3年まで9年間、一貫した教育課程を編成し、教科ごとに先生が代わる教科担任制を小学5年から受けることができる。

 冬休み前、中学のサッカー部と野球部の生徒が自発的に、小学生が遊ぶ校庭の雪かきをした。通学バスの中では中学生が小学生に席を譲る。小学6年と中学3年の子を持つ父親は「年下の子を思いやる心が育っている」と目を細め、小学2年生の母親は「同級生が増え、勉強やスポーツなどに競争心が出てきた」と新たな刺激を評価した。

 湖南の小中一貫教育の背景には「過疎」という深刻な問題がある。地区の子どもの数は年々減少傾向で、昨年1月1日現在の現住人口では、小学五年以下の全学年で30人を切った。ゼロ歳児は16人しかいない。

 「過疎というマイナス面をプラスに変える、子どもたちのためになる教育環境にしてほしい」。複式学級を強いられ、サッカーや野球のチームもつくることができない小学校の教育環境を憂慮した地元住民が1999(平成11)年、「湖南地区小学校の統合を促進する会」を設立、統合小学校建設を市に強く要望した。

 住民の熱意と行動力が行政を動かした。市教委は小中一貫の新たな形で応えた。人事権をめぐって県教委と渡り合えるほど自立心の強い中核市の市教委。企画力が成果を生んだ。

 全国からも注目される取り組みを、斎藤義益校長は「課題解決型一貫教育」と位置付ける。「過疎は進んでいるが、住民の前向きな姿勢とエネルギーはすごい。われわれ教員も努力し、湖南を誇りに思う子どもたちを育てたい」

 一方、教育環境の改善で優秀な人材が育てば、市街地の進学高に進む生徒が増える。地元意識の強い人材が流出してしまうのでは、と懸念する声もある。湖南高の入学者数は2004年度から定員の半分以下が続き、新年度も40人以下だと分校化は避けられない。県教委の画一的ルールの前に、真船市雄同高PTA会長は「人数だけでなく、地域での存在価値も考慮してほしい」と切実だ。 
 


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