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問われる職員の意識
【平成18年4月4日掲載】
公設民営に移行し、運営立て直しへ挑戦が始まった大宰府病院=福岡県太宰府市
第2部  医 療

独立採算の道 模索/福岡の先行事例を調査
県立病院改革 (下)
 地域医療の確保と赤字解消という2つの難題を抱え、県立3病院・1診療所は来年3月末で廃止され、公設民営など新たな形でスタートを切る。県病院局は、全県立病院の民営化を全国で初めて打ち出した福岡県に職員を派遣し、先行事例を調査してきた。「福岡ショック」と称され、全国に波及した公的病院の再編策は、どのように実践に移されたのか。納税者たる県民の厳しい視線が注がれる中、福岡県の挑戦を通して本県の県立病院改革の道しるべを探った。

 太宰府天満宮で知られる福岡県太宰府市。文化遺産が多数点在する観光都市に、県立から公設民営に移行した県精神医療センター太宰府病院がある。ガラス張りの壁から明るい日差しが入る待合室で、患者が診察を待っていた。

 福岡県は昨年度、5病院のうち3病院を先行民営化し、赤字解消と地域医療確保の難題に向き合う。来年3月に3病院・1診療所を廃止する本県にとっては共通の課題だ。

 県に「必置義務」がある精神病院のため、県が設置者、九州電力やガス会社、大学病院などでつくる医療・介護・教育研究財団が指定管理者を引き受けた。他の2病院の経営は公募で地元医師会が手を挙げた。

 「民営化はぎりぎりの選択。新たな再生術に取り組まざるを得なかったと思う」。同病院の首藤英明理事が話す。累積赤字に危機感を強めた県は、勧奨退職を募るなど人事改革に着手。県出向扱いの再就職者には給与差額分を県が補てんしたり、他県立病院への異動などの選択肢も用意した。

 労働組合は猛反発したが、全国知事会長の麻生渡知事が自ら組合交渉に出向き、知事主導で改革を断行した。厳しい県財政や「官から民へ」の潮流も知事の決断を後押しした。同病院はかつて、人件費比率120%で医業収益を超えていたが、薬品の効率的購入や外部委託を見直し、患者や家族の小さな苦情も放置せずに病院全体が情報共有する仕組みづくりを一気に進めた。経営判断は格段に速くなり、昨年度見込んだ2億5千万円の赤字は、1億円に縮減した。

 首藤理事は「行政でないと地域医療は本当に確保できないのか…」と話す。行政は不採算の理由に「措置入院などを伴う公立の精神科医療」を挙げてきたが、移行後は患者増で医業収入が5500万円増えた。5病院で最も経営状況が悪かったのに、5年程度での黒字転換の目標達成が現実味を帯びている。

 本県では矢吹、大野、宮下、南会津の4病院は県立のまま存続する。審議会答申は、へき地医療を担う宮下、南会津唯一の病院である南会津の存続意義を認めた。大野は原発立地地域で初期被ばくの指定医療機関。矢吹は措置入院や民間受け入れが困難な患者を受け入れる。病院機能の方向付けが示されるのは秋口。

 廃止病院の職員処遇は難航している。「一義的には病院局の仕事だ」。3月末の改革部会で全庁異動に協力を求めた病院局に、県幹部は独立採算の意味を突きつけた。職員の意識改革を含めた病院の在り方が問われている。
 


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