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勤務医、休みなく過酷
【平成18年4月6日掲載】
マンパワー不足で、小児科の勤務医はつねに過酷な労働環境に置かれている=福島医大小児科病棟(写真と記事は関係ありません)
第2部  医 療

地域内連携へ役割分担必要
増える開業医
 浜通り地区で救命救急などの高度医療を担ういわき市の総合磐城共立病院。事務局の職員は「毎年、何人かの医師が辞めて開業する傾向はここ数年、変わっていない」と説明する。退職医師の代わりを補充できたころと違い、近年は医師の数は減る一方になった。

 県内の大手病院に10年近く勤めていた男性医師は今年、地元で小児科の診療所を開業した。勤務医時代は、入院患者がいれば、土曜や日曜も休みなく回診した。内科医が診察できないため、帰宅後も毎晩のように呼び出しの電話が鳴り、病院に引き返すこともたびたびあった。「365日休みがない状態。責任ある仕事だから当然だと思ってきたが、最近、それは普通ではないと感じる」と話す。

 開業医への転向は磐城共立に限った話ではない。辞める事情はさまざまだが、過酷な勤務条件を敬遠し、自分の技量の範囲内で患者を診る開業医の道を選択するケースが本県でも増加している。県の統計では2003(平成15)年の一般診療所数は1418、1990年より約220施設増えた。逆に、病院数は173から152施設に減少。病院廃止だけでなく、病院から診療所へと規模を縮小する動きも出ている。

 県医師会は、地域の医師不足への対応策として、開業医が元勤務先の病院で診療するなど、郡・市医師会単位で支援の枠組みを作る方針を打ち出した。大病院と開業医が手術や検査日を調整し、互いに支え合うシステムを想定する。すでに、整形外科を先行させて取り組みに着手したり、各病院で夕方から深夜まで小児科の診療を応援する体制づくりを探る医師会もある。

 ある開業医は「休診して応援に行くのは経営面から考えても難しい。診療所の休診日に応援すれば、通常の診療に支障を来す」と本音を漏らした。06年度の診療報酬改定では、開業医に手厚かった診察料が見直され、医療制度改革では医療提供側に厳しい決定が続いてきた。この先も、過剰病床の削減など医療機関の淘汰(とうた)にもつながりかねない国の政策が待ち構える。

 数の限られた医師を地域医療というくくりの中で有効に機能させるには、初期診療から高度医療まで、病院・診療所の役割分担や地域内連携の確立が理想だ。しかし「患者は軽い症状でも大きな病院に行く。意識を変えてもらうのは簡単ではない」と開業医。大病院志向の裏には、自分の命を託す医師の力量を見定める患者の厳しい目がある。
 


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