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後期研修の充実が課題
【平成18年4月11日掲載】
福島医大で研修を受ける松浦さん。マンパワーの充実には魅力あるプログラムや指導医の育成など課題は少なくない 
第2部  医 療

指導者の育成確保も急務に
県内への定着
 福島医大付属病院の小児科病棟。病室にいる子どもたちの泣き声が、病棟の廊下に漏れてくる。研修医として初期研修を終えた伊達市出身の松浦裕美さんは今春から小児科専門医を目指し、研さんを積む。研修医で担当した生後6カ月の小さな命を失った経験が、小児科医を志す契機になった。

 同医大は昨年度、大学独自に後期研修プログラム(専門医養成)制度を創設した。後期研修は事実上の「就職」とされる。本年度は、卒後臨床研修を終えた医師が初めて後期研修に進んだが、同医大の1年早い対応が奏功してか、予想を上回る44人が集まった。東京都出身の坪井秀太さんは都内の医科大卒だが、研修内容や先輩の影響で同医大を選んだ。2人は、同制度の特色の一つ「専門医と博士号の同時取得」も目指している。

 同医大と同じく臨床研修施設の太田西ノ内病院(郡山市)は本年度、初期研修37人、後期研修19人の計56人を採用した。民間としての受け入れ数は東北でも1、2を争い、人気が高い。同医大出身は56人中19人で半数に満たず、ほとんどが東北や首都圏の医科系大出身だ。同病院のほか、東京大や慶応大など関連病院のプログラムもあり、初期研修では研修医一人一人に指導医がつく。研修医を戦力とみなし、診療体制に組み込む病院も多いが、同病院は「労働力としては扱わない」と、あくまで育成に力点を置く。

 卒後臨床研修制度は、国が2004年度に導入。導入前の03年度に49人だった福島医大の研修医は05年度に22人の半数以下まで落ち込んだ。しかし、後期研修では医師が導入前の水準近くに戻ったことで、県は「医師不足はここ1、2年が苦しい時期」と、今後も大学に戻る傾向が続くと予測している。

 県内の臨床研修病院は同医大や太田西ノ内など16医療機関。専門医を目指す医師は「プログラムの内容や優れた指導医の存在が重要になる」と指摘した。県は16病院と情報交換し、研修充実のための調整などを進めるが、民間病院の医師は「福島医大だけでなく、県外出身で民間病院での研修を受けた医師を定着させるための対応が必要」と注文する。

 医師の本県定着に大きな意味をもつ民間病院も含めた後期研修の充実。慢性的な医師不足に悩む小児科や産婦人科などでは指導医も不足する悪循環に陥っており、医師を育てる指導者の育成も急がれる。
 


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