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【平成18年4月12日掲載】
福島医大の授業風景。医大での医学教育の向上は、本県医療の質の向上に直結する
第2部  医 療

カリキュラム見直しを推進
医学教育
 福島医大医学部では毎年11月、2年生の学生が解剖学の授業に臨む。初めて目にする精緻(せいち)で神聖な人体。指導教官は時折、助言を与えながら学生の反応を注意深く見守る。学生はこうした学問の一つ一つを積み重ね、人の命とかかわる医師として育つ。

 医大での医学教育の向上は、本県医療の質に直結する課題でもある。

 文部科学省が5年前に示したガイドラインによって、医科大学の教育指導内容が細かく定められ、教授の裁量で可能な限り最新の知識を詰め込んできた教育は、大きく変わった。指導内容は、実質的に従来の3分の2程度に削減され、国の方針に異を唱える教官もいた。しかし、医大は残る3分の1で大学の独自性を出せる教育の在り方を探った。「医学の知識は無限に増えていく。すべてを学生に教えるのは不可能」。八木沼洋行教授は指摘する。

 医大が導入したカリキュラムは、一度学んだことを年次が進んでから別の角度で学び直す「らせん型」。学生の1人は「1年前には理解できなかったことが分かった」と実感し、講師に招かれたベテラン臨床医も「人体にどの程度深くメスを入れてもいいのか勉強になった」と話す。

 患者が高度に専門細分化された医療を望むのと歩調を合わせるように、医大での教育も専門医養成に力が注がれてきた。しかし、近年は「地域医療を学びたい」と志望する学生が増えている。八木沼教授は「地域の第一線で働く医師による指導が行われてこなかった」と反省を口にする。

 医大は本年度、カリキュラム見直しを進めている。地域とのかかわりを、どうもたせるかが懸案の一つ。広大な県土を擁する本県では、地域医療の現状と重要性に理解を示す人材育成も欠かせないからだ。

 公立大学法人への移行を前に中期目標の策定をめぐって展開された昨年度の議論は、高度医療を追究する学問・研究の府を前面に出したい大学側に対して、県や県議会が「地域貢献」の比重も高めようとして激論が続いた。県設置の大学として、直面する医師不足に対応する医師派遣、地域医療を担える人材育成にもっと力を注ぐべきという主張に、第三者委員会は両論併記の結論を導いた。

 医大は、医学生や研修医らが会津の一般家庭で生活しながら研修を受けるホームステイ型研修をスタートさせた。さらに地域医療を担う「家庭医」を育てるために新設したのが、「総合診療・地域医療部」だ。
 


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