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独自の「子育て支援」へ
【平成18年5月17日掲載】
 「育児休暇の取り方に多様性を持たせられないか。フレックスタイムの検討を含めて、選択制の研究を進めるべきだ」。室井勝出納長が人事当局にげきを飛ばす。「1週間の強制でもいいから、男性に育児休暇を取らせてほしい」と吉川三枝子監査委員事務局長が指摘する。
県庁内保育所に子どもたちの元気な声が響く。女性職員と若い男性職員とが構想を練り、次世代への期待を詰め込んだ
第3部  県 庁

庁内保育所の取り組み期待
意識改革
 抑え込まれていた憤まん
 4月28日の県職員男女共同参画推進会議は、女性職員の労働環境に劇的改善がみられない中で、人事制度の既成概念に抑え込まれていた憤まんが、今にも噴き出しそうな状況をうかがわせた。

 県の本年度前半の最大課題は、本県独自の子育て支援策を打ち出すこと。舞台裏では昨年度後半から、従来の「少子化対策」を「子育て支援」に組み替える作業が進んだ。藤野美都子政策推進監(福島医大教授)ら女性陣の指摘を受けたことが大きい。少子化という社会的要因から問題を考えると「産めよ増やせよ」の古い意識に傾きやすく、女性の人権や、主体性を損なう。男も女もかかわる子育てにこそ行政支援の意義があるという考え方だ。

 しかし、男性職員の意識は依然まちまち。管理職OBからは「男の収入が安定して女が働かなくて良くなれば、子どもは増える」という声さえ聞こえる。男社会で育った男性の意識改革は、容易ではない。

 育児休暇を取りやすく 
 4月に、県庁隣に開所した県庁内保育所「けやきの子」。女性たちから待望久しかった施設だが、実現できなかった背景には「県庁から先に待遇を良くしたのでは、県民理解は得られない」という役人独特の感覚があったからと関係者は明かす。「事なかれで、問題があれば先送りしても無事仕事を終えたいのが役人」と幹部も認める。

 「そもそも子育てを女性の仕事と考えるのが問題。職場の近くに子どもの声が聞こえれば男性職員への意識啓発にもなる。夫が民間企業勤務だと県職員の妻が育児休暇を取るのが普通という意識もあるようだが、民間企業の男性も育児休暇を取りやすい環境をつくるべき」。佐藤邦夫福利厚生参事は、県庁内保育所こそ県内の子育て環境に一石を投じる試みだと指摘する。

 フレックスタイム模索 
 模索中のフレックスタイム導入もハードルは高い。育児休業で最長3年も職場を離れれば、仕事についていけないため、たとえ1日3、4時間でも仕事を続けることで職員と職場とを切らない手段だが、現行の人事制度では評価と異動が難しい。

 県民に対し先導的役割をどう実践して示すか、県の挑戦が問われている。
 


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