ふくしま再生TOP
透明性確保は手つかず
【平成18年5月20日掲載】
 「県幹部OBが、退職後民間企業に天下りしているとは、夢にも思いませんでした」。県内報道機関には時折、県職員の再就職に関して疑問視する指摘が匿名で届く。特に県発注の公共事業との絡みでは、建設会社やコンサルタント会社に技術職OBが再就職し、透明性確保の点で問題だとする告発も目立つ。
県土木部の執務室前に並ぶ名刺受け。県OBを先頭に建設業者幹部の県庁詣でが続く
第3部  県 庁

県OB先頭に県庁詣で続く
天下り(上)
 技術系職員中心に再就職

 県を退職して民間企業に再就職した職員数は、県が把握しただけで2003(平成15)年度に土木部7人・農林水産部1人、04年度に土木部10人・農林水産部5人、05年度は土木部8人・農林水産部3人だった。「個人情報に当たるので企業名は言えない」(人事グループ)というが、技術系職員が中心で、建設会社やコンサルタント会社が多いという。

 県の参事(課長)以上への退職勧奨は定年60歳まで1年を残して行われることが多いが、「技術系については課長まで出世して県庁内に人脈があり、しかも、できるだけ若いうちに来てほしいと言われることが多い」と、民間に再就職した県OBが話す。

 顧問などの肩書をもらい、建設会社幹部の先頭に立って県庁内を回り、関係部署に名刺を配る。数年前なら執務室まで入り、幹部と談笑できた。今は執務室前に名刺入れが置かれて入りにくくなったが、公共工事発注が激減した今も、そう変わらない慣習だ。

 受注率と関係論証できず

 建設コンサルタント会社は特に、技術士を何人抱えているかが企業の評価点、県発注工事の指名競争入札にかかわるため、「育てるよりも県職員を雇用した方が早いという思惑があるよう」と土木部幹部は話す。

 ただ、県OBの受け皿企業は規模の大きな企業や大手の支店が多く、もともと実績があるため、受注率と県人脈との関係は論証できない状況が続いている。「県は退職後の一年間は県への営業活動をしないよう、OBに求めている。不透明な事案はないと考える」と幹部は言い切った。

 ある県OBは「天下りというが、優秀な人材は60歳を過ぎても世のために働ける。何の問題もない」と胸を張る。福島市内の建設会社社長も「官での経験を民で生かしてもらえれば、業界の活性化につながる。窓際族は来てもらって迷惑。仕事のできる人、できない人で対応は異なる」と、人物本位で再就職を促すことを合理的と主張した。

 県民の疑いは一掃できず

 それでも県民の疑いは一掃できないまま。指名競争入札をめぐる談合情報も絶えない。公共工事が激減して受注競争が激しさを増す中でも、再就職の透明性確保は手つかずのままだ。
 


〒960-8648 福島県福島市柳町4の29
ネットワーク上の著作権(日本新聞協会)
国内外のニュースは共同通信社の配信を受けています。

このサイトに記載された記事及び画像の無断転載を禁じます。copyright(c) 2001-2004 THE FUKUSHIMA MINYU SHIMBUN