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受け身から脱却できず
【平成18年5月23日掲載】
 2004(平成16)年10月に県が打ち出した公社・外郭団体関与指針。県と公社の関係は「指導」から「関与」に変わった。経営の厳しさから徐々に抑制傾向だった役員報酬も、この指針を境に公社側の自主性が重視され、現在は退職時の月額給与の6、7割にまで抑え込まれている。
 「60歳定年まで働いた方が得」と県が指摘するほど待遇は抑制基調。一方では改革に追いまくられ、以前より忙しい公社役員に就く利点は、どこにあるのか。「退職時の6割程度ならば民間企業の賃金に比べても大幅に安い。この人件費があるから県から指定管理者を預かれる」と、あるOBは明かす。
県の第3セクターの新たな拠点にもなった「コラッセふくしま」 
第3部  県 庁

人事と業務は
県の都合優先
指定管理者
 民間と競いコスト削減

 県が本年度導入した指定管理者制度は、県が公社や関係団体に委託していた県営施設の運営・管理を民間と競わせることで、サービス向上やコスト削減を引き出すのが狙いで、初年度の対象施設は51件。

 しかし、実際は県直営だった点字図書館を除いて、すべて従来の公社や団体、NPOが指定管理者になった。県関与21公社では、10公社が合計35施設で指定を獲得した。

 設立当初からの県業務受託の経験と、安い人件費をもって競争すれば、採算性の低い公共施設運営で民間に敗れる可能性は低い。3ー5年間の指定期間、公社の生え抜き職員が路頭に迷うこともない。県派遣職員が多い公社が傾けば、県の人事ローテーションにも支障が出かねない。

 問題は指定を獲得する時よりも、3ー5年間の指定期間の予算(債務負担行為)を決める県予算編成と、公社側がサービス向上策を企画する2つの局面で起きた。

 自立迫るも最低の費用

 「県の所管部局から、最低限の目安となる管理経費の目安を聞かれたので示したが、それが年間予算の上限額になった。公社にこれから自立しろと迫る県が、最初の運転経費も渡さずに最低限の費用で賄えと…」と、ある公社関係者は予算編成時を振り返る。指定期間内の年度予算配分に柔軟性を持たせたことで解決は図られたが、別の関係者は「サービスを向上しようにも、これではね」と依然、不満を口にする。

 企画力ある人材が不足

 また公社生え抜きの職員に企画力のある人材が育ちにくい環境も指摘された。「県の周辺業務をやっていれば良かったし、企画力は県としても必要なかった。育てもせず自立しろという県こそ、問題だ」という声が聞こえる。県の人事、業務の都合が優先されてきた公社はまだ、「受け身」から脱却できずにいる。
 


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