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資金運用で有利な財産
【平成18年5月25日掲載】
 「FTVが設立された経緯から私は、県が持っているというよりは、県民が持っている株だと思っている。少なくとも株主と報道機関との関係では見識を持って最大限努力してきた」。佐藤知事は昨年10月の定例記者会見で、FTV株放出の可能性について明確に否定するとともに、報道面では県は関与していないという認識を強調した。
民放4局とNHKのテレビ塔が林立する福島市笹森山。視聴率競争の舞台裏で巨額の設備投資も競い合う
第3部  県 庁

報道関与せず
株放出もない
福島テレビ(中)
 評価するかどうかは県民

 一方では、フジテレビ株やTBS株の売買が注目されたことを例に、「経済の論理で親会社がどこかに行ってしまうと、FTVもどこかに行ってしまう可能性がある。ドイツはヒトラーが出たこともあり、全国を統一するマスコミを分割した。残念ながら日本のマスコミは一極集中になっている。地方のマスコミも多様性が必要。地方分権が進展していく中で、地方で頑張っているテレビ会社を評価するかどうかは県民が判断する」とも述べた。

 これに対し、県庁内からは「知事は話し過ぎた」とささやく声が聞こえる。県は従来、FTV株について「財産としての保有」という問題整理をしてきた。出資1億7500万円に対し、株式配当は昨年時で約2100万円。1963年4月の放送開始から40年余で合計9億1100万円の配当を受けており「資金運用として預金などと比べものにならない有利な財産」(県幹部)とみている。

 歴代社長は県三役経験者

 だからこそ、地方分権を引き合いに出しながら地方民放テレビの報道と株式保有を関連付けるかのような答弁に、答弁作成にかかわった経験がある職員は危うさを感じた。

 FTVは前社長まで、歴代社長が県の三役経験者。報道と権力の関係では冷たい視線を浴びてきただけに、神経をとがらす。「いろいろ言わずに『財産だ』とだけ言ってほしいのだが…」

 報道の側面から問題多い

 ニュース重視の時代に、県内民放4局はNHKとともに県内枠で激しく報道合戦を繰り広げている。ローカル情報番組もそれぞれ多彩で、県民生活を映し出している。

 ジャーナリズムを取り巻く問題を調査研究しているメディア総合研究所(東京都)のメンバーで、メディアと行政との関係に詳しい松田浩・元立命館大教授は「県がテレビ局に出資している例はあるが、福島県は突出している。地方メディア、ローカル局と県との関係は軽視できず、自立した公平公正の報道の側面から問題が多い。メディアが大きくなればなるほど、権力とのつながりが問題になるだけに、ローカル局だけの問題ではない。早期に是正すべき問題」と指摘する。
 


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