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株保有背景に経営関与
【平成18年5月26日掲載】
 県内民放4局は6月1日、中通りの一部で地上デジタル放送を始める。設備投資が巨額で企業の体力を奪うと懸念されてきた。福島テレビ(FTV)初のフジテレビ出身社長、中村啓治社長は全国地上デジタル放送推進協議会長。県は経営面では大株主として難視聴地域解消を強く求めると公言している。
地上デジタル放送を共同PRする県内民放4局のアナウンサー。総務省主導のデジタル化に地方局は企業体力を問われる
第3部  県 庁

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デジタル時代
経費負担重く
福島テレビ(下)
 4局トップの売上高

 FTVは県内民放のトップランナーで、2005(平成17)年3月期決算は売上高76億円。4局の総売り上げの32%に相当するが、利益率は他局に先行を許す。

 一方、県の民放4局への広報発注年度額は2000年度以降、2・4ー2・0億円。このうちFTVは40・3ー38・8%を占めた。「実績と資料映像の豊富さなどを総合的に勘案した」(県政広報グループ)という競争の結果。ただし後発3局との発注額の開きは、県への年間の株式配当額を上回るほどだ。

 後発3局独自の資金調達

 県にはアナログ波の難視聴地域解消に向け民放の設備投資に低金利融資する基金がある。69年度設置以降、利用者はFTVのみ。県とFTVが7500万円ずつ出し合った基金に、後発3局は申請しなかった。FTVは機器更新に今も基金を活用しており、昨年度末の融資残高は6885万円。後発3局が独自の資金調達でしのぐ中、県は「使いにくい制度」の見直しには言及しない。

 「松平勇雄前知事から『株は渡してはならない』と言われた」。佐藤知事が昨年10月の記者会見で明らかにした知事就任時のやりとりは、FTV株をめぐって松平県政時代にも相当に激しい動きがあったことを物語る。「仮に売却しようにも混乱する。譲渡先はない」と県幹部はみる。

 FTV誕生の経緯から県議会は44年前、県が株を外部に売却しないよう決議した。県は昨年9月県議会の総務部長答弁にこの決議を引用した。その県議会は非常勤役員4人と監査役1人を出し、報酬を得ている。現在の会派配分は自民3、県民連合1、無所属1。報酬額は明らかでないが、経験者は「三けたぐらいだったか」と回顧する。

 役員報酬含め見直し検討

 自民が再検討を始めたのは、40年も前の決議を引き出されたことに、役員報酬との関係も含め整理し直す必要を感じたからだ。

 「県から言われなくても総務省からの厳しい指導で、2011年までデジタルもアナログも両方維持する民放各局は経費負担が重い。難視聴地域が残ってアナログ放送も延長を、などと言われないよう頑張らざるを得ない」と鈴木泰雄FTV専務(前県総務部長)は話す。地上デジタル化が会津の山間部に入れば、民放4局の負担はさらに増す。総務省がデジタル化を主導して地方局の動きを監視する時代に、県がFTVにのみ50%株式を持ち経営に関与する意味が、あらためて問われている。
 


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