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第三者機関の検査必要
【平成18年8月30日掲載】
経済産業省(奥)の機関として、原発推進の資源エネルギー庁と規制の原子力安全・保安院が同居する、経産省別館(手前)=東京・霞が関
 
第4部 原子力政策
 
県が重点要求/政府耳貸さず
保安院分離

 自民党の電源立地・原子力等調査会(大島理森会長)が今月1日にまとめた、電源立地地域との対話を基にした報告書に、原子力安全・保安院の経済産業省からの分離は盛り込まれなかった。

 結論は原子力推進一色

 調査会は4月17日、佐藤知事ら県幹部との対話を切望したが実現せず、前日の双葉郡内の日程をこなしただけで帰った経緯がある。意見交換の既成事実化を警戒する県当局に対し、調査会が出した結論は、原子力推進一色だった。

 保安院分離は、原発トラブル隠しで原子力規制行政への信頼が失墜して以降、本県が特に重点を置いて政府に求めてきた。県議会は昨年7月の意見書にあらためて盛り込み、同党県連も再三、党本部への理解を求めてきた。しかし、同党本部が昨年8月にまとめた報告書では保安院分離を完全に否定。与党内では、もはや整理済みの案件になりつつある。

 原子力と根っこは同じ

 「パロマの問題では保安院の安全規制にも問題があったという。原子力と根っこは同じ。使う側の人たちの苦情を推進機関に申し立てても通らない。中立で権限のある第三者機関が必要だ」(県民安全領域)と県は訴える。

 当面の懸案となる「維持基準」では、福島第二原発3号機の配管ひび割れで東電が問題なしとしたのに、実は配管を一周する亀裂だったことが後日判明。専門家がいない県としては、保安院の検査体制に期待するからこそ分離を求めるのだが、政府は耳を貸さない。それどころか、トラブル隠しを受けて保安院が自らの認定を取り消した県内一部号機の定期安全レビューは、今も白紙のまま。県が配管減肉について保安院の評価ミスを指摘した問題も放置されて、県は不信感を強めるばかりだ。

 民主や与党内に理解者

 民主党は7月下旬にまとめたエネルギー戦略で、第三者機関の設置を認めた。マニフェスト(政権公約)に反映される見通しだが、野党だからモノを言える側面もある。

 与党内にも理解者はいる。「会社の会計監査のように、会社が真実の情報だと言って出す会計資料を、監査法人がチェックするのと同じだ」と、吉野正芳衆院議員(5区)は第三者機関の設置を求めてきた。党内の学習会でも毎回のように意義を述べるが、多勢に無勢は否めない。

 3年前の3県知事要望など、政府への働き掛けを強めていた県だが、最近は目立った動きがない。9月に誕生する次期政権に、真に分離を求めるのか、具体的な戦略を持ち得ないでいる。
 


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