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プルサーマルが主役に
【平成18年8月31日掲載】
厳重な監視のもと、キャスク(輸送容器)に封入され海上輸送される使用済み燃料(東京電力提供)
 
第4部 原子力政策
 
問題提起後も六ケ所へ搬出
使用済み燃料

 1万218体と4018体。前者は福島第一、第二の両原発から海外(イギリス、フランス)に運び出された使用済み燃料の数、後者は再処理を目的に両原発から青森県六ケ所村に搬出された使用済み燃料の数(今年4月現在)だ。「発電」事業は核燃料を燃やすことで、電源地域に限らず県内各地に核燃料税や固定資産税、電源三法交付金、各種の寄付や協力などをもたらし、使用済み燃料となって県外に運び出された。

 さらに10基の原子炉建屋内のプールでは9406体(6月末現在)、福島第一の共用(貯蔵)プールでは4429体が搬出を待っている。

 県内で原発の営業運転が始まった1971(昭和46)年3月から35年間、県と東電は核燃料について「持ち込んだものは運び出す」という原則に沿って対応し、特に福島第一の共用プールをめぐって佐藤知事が「国に約束をほごにされた」と激怒した94年以降、東電は神経をすり減らしてきた。

 「トイレなきマンション」

 福島第二に共用プールが建設できない政治状況になり、「トイレなきマンション」とやゆされる中で一時は、原発停止の危機さえ叫ばれた。

 使用済み燃料からプルトニウムを取り出し、ウランと混ぜて原子炉で再び燃やすプルサーマル計画が、増え続ける使用済み燃料の対策で脇役から主役に引き出された。「プルサーマルを認めなければ原発が止まる」という声が強まる。

 「国が責任をもって行ってこなければならなかった使用済み燃料対策を立地地域のプルサーマルの受け入れ問題にすり替え、その責任を地域に押し付けようとするものでないか」。県エネルギー政策検討会は02年12月、中間取りまとめで問題提起した。プルトニウムを大量消費できる高速増殖炉計画が止まったままの今、依然として的を射た指摘だと慎重派はみる。

 「各電気事業者の判断で」

 しかし、国はこれを認めない。「使用済み燃料の搬出は、基本的には各電気事業者の判断、責任であり、民業に介入することになるのでわれわれが言うことではない」と、資源エネルギー庁の担当官は言い切る。

 誘致者責任に疑問の声

 「国が思考停止になっちゃう」は、佐藤知事の口癖だ。政府や与党内から「反対するなら代替案を出せ」と批判が出るたび、佐藤知事は「腰をふらつかすな」と職員にげきを飛ばす。しかし同じ批判は県議会からも聞かれるようになった。原子力安全の担当者を除けば、県職員の間にも疑問の声はある。「原発を誘致した県として、このままで責任が果たせるのか」と。
 


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