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安全性に期限設定なし
【平成18年9月3日掲載】
プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料の3号機搬入のため、武装輸送船から降ろされる輸送容器
=1999年9月27日、福島第一原発
 
第4部 原子力政策
 
県と国の関係きしむ7年間
信頼と時間(上)

 宍道湖に臨む城下町・松江市。中国電力島根原発は県庁所在地にある。山塊を隔てて日本海に面した同市鹿島町の2号機(出力82万キロワット)は、プルサーマル計画と活断層問題で揺れている。20日には市主催のシンポジウムが開かれ、賛否両論が飛び交った。

 原子炉は本県の原発と同じ沸騰水型(BWR)といわれる構造。プルサーマル導入へ先行する九州電力玄海、四国電力伊方がいずれも加圧水型(PWR)で、島根はBWR初のプルサーマル商業炉になる可能性がある。

 市役所で取材に応じた青木保文市長室次長は「核燃料サイクルの問題は佐藤知事のおっしゃる通り」と切り出した。「国策というのだから国が前面に出て説明しないといけない。国は2010(平成22)年までに国内16ー18基でプルサーマルを稼働させたいというが、年限は撤廃すべきだ」。期限を切って背中を押すような国の政策を改善するよう要望しているという。

 「安心」も慎重な手続き

 中国電力から昨年9月に事前了解願を受け、市は35カ所で住民説明会を開くなど慎重に手続きを踏んできた。運転開始から32年、中電との関係は「大きな事故もなく、安心して信頼している」という。しかし作業スピードを無理に上げるつもりはない。「原子力政策は市民に信頼されなければいけない。安全・安心の確保は国が責任を持つのが大前提だ」

 一方、同県は手続きの速さが目立つ。県民各層の有識者で懇談会をつくり、10回の会議を経て了解の報告書を得たのが今年5月。澄田信義知事は6月県議会で容認を表明した。佐藤知事と同じ当選5回の長期政権。県議会の委員会も知事の方針を追認した。

 県庁原子力安全対策室、橘親男調整官は「国のエネルギー政策には協力しないといけない。しかし安全性を大前提に判断するのが基本姿勢」と話す。やはり長年にわたる中電との信頼関係がある。「専門的な審査ができるわけはなく、懇談会では県民の立場、目線で判断していただいた。最終判断は国の安全審査が終わってから」。松江市との違いは国との距離感(信頼関係)だけにみえる。

 トラブル隠しで白紙に

 本県が全国で初めて、プルサーマル計画に事前了解したのは1998年11月。独自の懇話会に1年をかけて安全性を結論づけた。しかしMOX燃料を搬入した99年9月以降、県と国との信頼関係はきしみ、東電のトラブル隠しで事前了解は白紙に戻った。

 MOX燃料は第一原発3号機の水中で7年間、眠り続けている。
 


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