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焦りを隠せない立地町
【平成18年9月6日掲載】
6号機(奥)を上回る大型プラント計画も止まったまま、波と風の音だけが通り過ぎる7号機増設予定地 
 
第4部 原子力政策
 
青森の計画に「遅れて困る」
原発増設
 原発立地4町で唯一、地方交付税の交付団体になった双葉町。井戸川克隆町長は昨年12月の就任以来、福島第一原発7、8号機増設計画(同町、出力各138万キロワット)に慎重な発言が目立つ。「多くの世論の要望、意見を聞かなければならない。世論を聞きながら推進したい」

 推進一辺倒だった前町長の後継候補を破って当選した。増設による歳入増を期待して大規模事業を前倒しした末の町財政悪化。町政転換の訴えが支持を得た。

 しかし増設推進の立場からは、焦りも隠せない。7、8号機増設計画より後発の東電・東通原発1、2号機計画(青森県、出力各138万5000キロワット)を国の計画に乗せることに三村申吾知事が今月1日、同意した。「東通の着手は唐突の感がある。増設への影響も心配している。(東通より)遅れては困る」と町長の口から本音が漏れる。

 エネルギー基地化を着々と進める三村知事と、増設に慎重な佐藤知事。増設計画の繰り延べが毎年続けば、あと2年で東通に追い越される。電力自由化の中で巨額投資の重複は現実的でなく、増設がさらに遅れる可能性も想定される。

 見えにくい地域振興策

 佐藤知事は「原発の後に原発しかないという雰囲気、考え方にはちょっと抵抗がある」(98年11月記者会見)とし、ポスト原発の地域振興へ、原子力等立地地域振興事務所(富岡町)を置いて地域振興策に知恵を絞る。しかし具体的な成果は見えにくい。

 脚光を浴びるのは、東電が増設計画と同時に表明し、約130億円を投じて県に寄贈したJヴィレッジ(楢葉、広野町)と、それを核にした双葉地区教育構想(富岡町ほか)など南部に集中。「北双の声を吸い上げてほしい」という井戸川町長の指摘は、双葉郡北部の多くの住民から聞く率直な声だ。

 県庁内にも期待する声

 県庁内にも増設に期待する声は少なくない。電源三法交付金への期待だけではない。ABWR(改良型沸騰水型軽水炉)という最新型のため、かなり古いタイプの1号機(大熊町)などと違って、作業員の被ばく量も作業の安全度も向上するとされるからだ。

 いずれは廃炉になり、放射能低減まで30年間は放置(廃止措置)されるとみられる高経年化原子炉。県はエネルギー政策検討会の中間取りまとめで「廃炉を見据えた地域の将来を考える時期」と指摘した。しかし原発立地町の再生へ、かすみばかり食べていられない状況下では、増設期待論が、強い政治的エネルギーを持ち続ける。
※訂正(9/7付)・・原発立地4町のうち地方交付税を交付されているのは双葉町と富岡町の2町でした。
 


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