【知りたい資産運用(43)】 PERは銘柄選択の尺度

 

 今回からは株式の具体的な銘柄の選び方とその変動の要因を説明します。

 銘柄を選ぶための、代表的な投資尺度の一つが「株価収益率(PER)」です。株価が割安か割高かを判断する指標です。株価を1株当たりの当期純利益(税引き後)で割って算出します。求めた数字は「倍」で表記され、倍数が高ければ割高、低ければ割安であることを示します。

 例えば、同じ業界のA社とB社で株価がともに1000円、A社のPERは40倍、B社は30倍だとすると、B社のほうが割安となります。ただし、将来の研究開発費に資金を投入していた場合に目先の利益は少なく、1株当たり利益も低水準となり、PERは企業の実際の実力に比べて割高になることもあります。

 一般にPERは、市場平均や業界の平均、ライバル企業などのPERと比較します。平均など過去の動きから判断し、現時点での人気度を測ることもできます。

 また、相場の流れにより業種間で人気の度合いが大きく異なることもあり、その場合には市場の平均よりも、同一業種の他社と比べたほうが有利です。

 (とうほう証券)