連載 ホーム 県内ニュース スポーツ 社説 イベント 観光 グルメ 健康・医療 購読申込  
 
福島市制100周年 県都の足跡と展望 TOP
少子化
福島市の「こむこむ」で科学ワークショップに取り組む子どもたち。少子化問題対策には、行政と民間が連携した取り組みが求められている。
【5】 少子化/行政と民間との連携必要
 少子化や高齢化対策、所得格差の拡大、障害者の自立支援など、福祉の課題は年々増える一方。福島市も、毎年の新年度当初予算で全体の約25%を福祉関係事業費に充て、多くの施策を展開している。特に少子化は、社会保障制度や経済活動に大きく影響することから対策が急がれている。
 同市の年間出生数は、第二次ベビーブームのピークだった1973(昭和48)年の4436人から減少し続け、2004年には2534人となった。その後、05年に2553人、06年に2587人と微増しているが、今後も上昇し続けるかどうかは不透明だ。
 市は07年度から医療費助成を小学六年生まで引き上げるなど、近年は子育て支援策に力を入れている。一方、出生数を増やす少子化対策については、施策はあるものの本格始動していないのが現状。同市の子育て関係施策をまとめた新エンゼルプランには、若い世代の正規雇用拡大や男女共同参画推進、住みよい住宅の確保などの少子化対策が数多く盛り込まれているが、目立った効果は表れていない。
 「少子化対策と子育て支援は別もの。雇用問題と深いつながりがある少子化対策には、民間企業と連携した取り組みが欠かせない」と安田徳郎市健康福祉部長は話すが、これまで市役所と商工会議所などの民間経済団体が、雇用問題と少子化について話し合いの場を設けたことはない。 
 「少子化問題は福祉だけの問題ではない。市と事業者が連携して取り組むべきだが、今は市の方針が見えない」。人口減少は労働力低下につながり、地域経済の衰退を招きかねない。福島商工会議所の山田義夫専務理事も、経済界の視点から少子化問題や女性の労働力確保に向けた官民連携に大きな関心を寄せている。
 県内の中小企業は、育児休業などに取り組む余裕がない事業所がほとんど。山田専務は「少子化対策を進めたくてもできない中小企業をフォローする施策を進めてほしい。市と企業が協力し、モデル企業を設けて女性の雇用や少子化対策の実験的施策を進めても面白いのでは」と提案する。
 行政と経済界ともに、少子化問題対策には官民の連携の大切さを実感している。今後は、両者が歩み寄り、スクラムを組んで問題解決に取り組んでいけるのかどうか、双方の動向が注目される。

 ●メモ
 新エンゼルプラン 
次世代育成支援対策推進法に基づく行動計として2004年(平成16)年度に策定。重点施策に地域の子育て基盤強化や経済的負担軽減、保育施設整備など7つの重点施策を掲げ、目標事業量や計画推進の方策を定めている。
 


〒960-8648 福島県福島市柳町4の29
ネットワーク上の著作権(日本新聞協会)
国内外のニュースは共同通信社の配信を受けています。

このサイトに記載された記事及び画像の無断転載を禁じます。copyright(c) THE FUKUSHIMA MINYU SHIMBUN